2018 Fiscal Year Research-status Report
下肢の筋特性を考慮したFES交互屈伸運動システムの構築と評価法に関する研究
Project/Area Number |
18K04214
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
河合 宏之 金沢工業大学, 工学部, 教授 (70410298)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 交互屈伸運動 / 機能的電気刺激 / リハビリシステム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,下肢の下肢の運動機能に問題を抱える人の残存する筋肉の筋力維持と運動特性の向上を目指し, 機能的電気刺激(Function Electrical Stimulation,以下FESと呼ぶ)を用いた下肢リハビリテーションシステム(以下, 下肢リハビリシステム)を提案することであり,具体的にはFESペダリング運動とFESローイング運動(ボート漕ぎ)の利点を兼ね備えたFES交互屈伸運動に対する制御手法の確立,リカンベントトライクを用いたリハビリシステムの構築ならびに評価方法の検討を実施することである. 本年度は下肢の交互屈伸運動をオイラーラグランジュシステムとしてモデル化し,筋の出力方向を考慮した刺激方法を制御入力とした開ループ系を構成した.そして,目標軌道に沿って下肢を運動させるための制御則を提案し,構成される閉ループ系における安定性をリアプノフの安定定理に基づいて理論的に示した. そして,既存のリカンベントトライクのペダリング機構を交互屈伸運動を実現する機構に変更した.具体的には,チェーン・プーリギア機構により左右のペダルが180度の位相差を持ったまま直線運動させることを実現し,フリーホイールを複数用いることで下肢より得られる直線運動を回転運動に変換する機構を実現した. 構築したFES交互屈伸リハビリシステムを用いて,協力関係のある病院にて片麻痺患者に試乗してもらうことで,安全に使用するための問題点を検討した.具体的には,機構可動部の耐久性について改善を要する.また,屋内環境における健常者での検証実験により,屋外環境での走行での可能性を示した.上述した成果の一部を論文としてまとめて投稿中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
機能的電気刺激を用いた交互屈伸運動に対する制御則を提案し安定性解析をおこなった. そして,既存のリカンベントトライクのペダリング機構を交互屈伸運動を実現する機構に変更することで,FES交互屈伸リハビリシステムを構築した.また,屋内環境における健常者での検証実験により,おおむね構築したシステムが予定したように稼動しているため,計画通りに進展していると判断する.
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Strategy for Future Research Activity |
提案した制御則では筋力比率を既知としているため,被験者個人に合うようなパラメータ更新則を検討する.実験システムにおいては,路面状況が変化する屋外環境においての検証実験や,非健常者を被験者とした検証実験の実施準備を進める.そして,筋活動量を考慮した評価方法について検討する.
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Causes of Carryover |
購入を検討していたセンサが,通信方法の問題で既存のシステムに組み込むことが難しいことが判明したため,購入を見送った.現在,代わりとなるセンサを調査し再検討しているため,その分の予算を次年度に使用する予定である.
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Research Products
(8 results)