2019 Fiscal Year Research-status Report
陰的非線形システムに対するモデル予測制御系設計の研究
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18K04216
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
橋本 智昭 大阪工業大学, 工学部, 講師 (90515115)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 制御工学 / システム工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度の研究実績では,一般化された陰的非線形システムに対して,最適フィードバック制御手法の一つであるモデル予測制御系設計法が確立されていた.モデル予測制御手法は最適フィードバック制御手法であるため,最適制御問題における最適条件の導出及びその数値解法を考案する必要がある.当初の研究計画通りに,一般化陰的非線形システムに対する最適条件が導出され,その数値解法が構築されていた.さらに,前年度研究実績では,当初の研究計画以上に進展した研究成果を達成していた.モデル予測制御手法は,システムの状態がすべて観測可能でないと直接適用できないという欠点があり,本研究では,一般化陰的非線形システムに対するUnscented Kalman Filterに基づく状態推定手法を考案し,モデル予測制御手法と併用する制御系設計法の枠組みを構築した.これにより,一般化陰的非線形システムの状態変数が部分的にしか観測できない場合でも,考案したモデル予測制御手法の適用が可能となった. 前年度の研究実績を踏まえて,当該年度では,主に2つの研究課題に取り組み以下で述べる研究成果を達成することができた. ①流体の基礎運動方程式として知られるバーガス方程式を離散近似して得られる陰的非線形システムに対して,Unscented Kalman Filterに基づく状態推定手法を併用したモデル予測制御系設計法を考案し,その有効性を数値シミュレーションにより確認した. ②一般化陰的非線形モデル予測制御問題において導出された最適条件の数値解法アルゴリズムの高速化の検討を行い,通例の陽的非線形システムのモデル予測制御問題に対して提案された縮小写像法を応用することが有用であることが確認された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度の研究実績では,当初の計画より早く一般化陰的非線形システムに対するモデル予測制御系設計法の確立という目標を達成することができ,さらに,一般化陰的非線形システムに対する状態推定問題の課題に取り組み,Unscented Kalman Filterに基づく状態推定手法を考案することができた.当該年度では,前年度の研究実績を踏まえて,上記研究実績で述べた研究成果①と②を達成する計画であったが,2つとも計画通り達成することができた.したがって,現在までの研究達成度は研究計画通りに順調であるといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
以下で挙げられる研究課題を,段階を踏んで取りくみ,残りの研究期間内にすべて達成する計画である. ①システム方程式及び最適条件の解の存在性と可解性の確認を行う. ②一般化陰的非線形モデル予測制御系の安定性解析を行う. ③一般化陰的非線形モデル予測制御において導出された一般化最適条件の高速数値解法アルゴリズムを構築する.
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Causes of Carryover |
研究者の病気休暇(9~10月)及び新型ウィルスの影響(2~3月)により,研究費の使用計画に変更が生じたため.次年度使用可能な研究費は,主に研究課題における数値解析の環境構築のための物品購入および研究成果発表のための旅費等により使用する計画である.
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Research Products
(2 results)