2020 Fiscal Year Research-status Report
陰的非線形システムに対するモデル予測制御系設計の研究
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18K04216
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
橋本 智昭 大阪工業大学, 工学部, 准教授 (90515115)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 制御工学 / システム工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度以前の研究成果では,一般化された陰的非線形システムに対して,最適フィードバック制御手法の一つであるモデル予測制御系設計法を考案していた.さらに,一般化陰的非線形システムに対するUnscented Kalman Filterに基づく状態推定手法を考案し,モデル予測制御手法と併用する制御系設計法の枠組みを構築していた.これらの研究成果を踏まえて,当該年度では,以下に挙げられる研究課題を,段階を踏んで取りくんでいく予定であった. ①一般化陰的非線形システム方程式及び最適条件の解の存在性と可解性の確認を行う. ②一般化陰的非線形モデル予測制御系の安定性解析を行う. ③一般化陰的非線形モデル予測制御において導出された一般化最適条件の高速数値解法アルゴリズムを構築する. 課題①において,一般化陰的非線形システムに対して,ある変数変換を適用することにより,正則な係数行列を有する陰的非線形システムと代数的拘束条件から構成されるシステムに分割することができる知見が得られた.その後,陰関数定理を用いれば,一般化陰的非線形システム方程式及び最適条件の解の存在性と可解性を保証する条件を導出できる見通しが得られたが,新型コロナウイルス感染症の影響により本研究活動への様々な支障が生じたことによって,当該条件を導出するという研究成果には至っていない.また,課題②と③に対しても,同様の理由により,研究成果を挙げるには至っていない.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2018年度~2019年度は研究が順調に進み,当初の想定していた研究成果より進展した研究成果を挙げることができた.しかしながら,2020年度に予定していた研究計画は,新型コロナウイルス感染症の影響により,予定通り進めることができなかった.したがって,研究課題の達成度は遅れている現状にある.
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Strategy for Future Research Activity |
上記で挙げた今後の研究課題①~③に対して,順次段階を踏みながら取り組んでいく計画である.まず,システム方程式及び最適条件の解の存在性と可解性を保証する条件を導出する.次に,一般化陰的非線形モデル予測制御系の安定性解析を行い,安定性を保証する条件を導出する.さらに,一般化陰的非線形モデル予測制御において導出された一般化最適条件の高速数値解法アルゴリズムを構築する計画である.
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響により,本研究活動への様々な支障が生じて物品購入及び出張の延期を行ったことによって,使用計画に変更が生じた.次年度は最終年度にあたるが,研究実施期間を1年延長する予定であり,次年度に繰り越した研究費は,次年度とその延長期間において,物品購入及び旅費として使用する計画である.
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