2020 Fiscal Year Research-status Report
筋肉疲労に対して安全な電気刺激による遠隔リハビリテーションシステムの開発
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18K04220
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Research Institution | Ishikawa National College of Technology |
Principal Investigator |
河合 康典 石川工業高等専門学校, 電気工学科, 准教授 (90413765)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
越野 亮 石川工業高等専門学校, 電子情報工学科, 准教授 (90369968)
三好 孝典 長岡技術科学大学, 技術経営研究科, 教授 (10345952)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 遠隔制御 / 電気刺激 / 筋肉疲労 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,筋肉疲労に対して安全な電気刺激による遠隔リハビリテーションシステムの開発を行うため,今年度は下記の2つの課題について考える。 課題①の筋肉疲労の推定と患者側での安全機構の開発については,これまでに行った筋電計は疲労推定の精度が悪く,脳波計では疲労推定ができなかった。そこで,外乱オブザーバとガウス過程回帰を用いた2つの疲労推定手法を考える。 はじめに,外乱オブザーバを用いた方法は,疲労がない時の膝関節の運動モデルを用いて,疲労時には入力外乱が発生すると仮定することで,入力外乱の推定を行う。推定する入力外乱の平均値は,運動開始直後は小さいが,被験者が疲労を感じるにつれて徐々に増加していることから疲労を推定できることが分かる。 次に,ガウス過程回帰を用いた手法は,外乱オブザーバと同様に疲労がない時の膝関節の運動モデルを用いて,疲労時には入力外乱が発生すると仮定して疲労推定を行う。測定値と運動モデルの差を入力外乱として考え,学習における入力を膝関節角度,出力を入力外乱とすることで,入力外乱の平均と分散を求める。運動開始直後は外乱の平均値が0に近いのに対して,被験者が疲労を感じるにつれて徐々に平均値の振れ幅が広がっていることから,疲労を推定できることが分かる。 課題③の高速化と耐故障性を備えたクラウドシステムの開発については,AWS IoT から変更してNode.js を用いたクラウドシステムを考える。これまでの遠隔リハビリテーションシステムは,MATLABのSimulinkをベースにシステムを構築しているので,Node.js との通信の結合を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
現在までの進捗状況を課題ごとに下記に示す。 課題①の筋肉疲労の推定と患者側での安全機構の開発については,筋電計は精度が悪いが疲労推定はでき,脳波計では疲労推定ができなかった。また,外乱オブザーバと機械学習としてガウス過程回帰は,疲労推定ができた。 課題②の筋肉疲労に対するバイラテラル遠隔制御システムの安定化機構の開発については,スキャッタリング変換の改良型,Time Domain Passivity Controlを用いた安定化機構を構築している。 課題③の高速化と耐故障性を備えたクラウドシステムの開発については,Node.js を用いたクラウドシステムを構築中である。 課題④の遠隔地での実験による検証については,課題③の構築が終了していないため,実施できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策について,課題が達成できていない課題③と課題④について下記に示す。 課題③の高速化と耐故障性を備えたクラウドシステムの開発については,Node.js を用いたクラウドシステムを用いた遠隔リハビリテーションシステムを構築して実験により検証する。 課題④の遠隔地での実験による検証については,石川高専-長岡技術科学大学で実験を行う。リハビリテーションを行う理学療法士側として,長岡技術科学大学にパドルを配置する。また,患者側として石川高専に電気刺激装置を配置する。実際の通信回線を用いることで,提案する遠隔リハビリテーションシステムの安全性について検証する。計画変更として,予定していた石川高専-フロリダ大学(アメリカ)の間で実験は,新型コロナウィルスのために現地での調整が困難であるために行わない。
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Causes of Carryover |
国際学会旅費 3rd IFAC Conference on Cyber-Physical & Human-Systems(CPHS2020)が新型コロナウィルスの影響でオンライン開催となったために旅費を使用できなかった。また,課題④の遠隔地での実験が遅れているために使用できなかった。 使用計画は,石川高専-長岡技術科学大学の実験で旅費と実験装置の輸送費が必要である。予定していた石川高専-フロリダ大学(アメリカ)の間で実験は中止するため,研究成果発表と実験機材の購入に使用する予定である。
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Remarks |
石川工業高等専門学校 電気工学科 河合研究室 https://www.ishikawa-nct.ac.jp/lab/E/y_kawai/www/
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Research Products
(2 results)