2023 Fiscal Year Annual Research Report
Design of Adaptive Cooperative Control of Large-Scaled Complex Processes of Different Structures under Restricted Network Communications including Emergence
Project/Area Number |
18K04221
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Research Institution | The Institute of Statistical Mathematics |
Principal Investigator |
宮里 義彦 統計数理研究所, 運営企画本部, 特任教授 (30174155)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 制御理論 / 適応学習制御 / 非線形制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では異なる構造を有する部分システムから構成される複雑大規模系に対して,ネットワーク環境下における通信の様々な制約を考慮しつつ,全体的あるいは部分的な情報のフィードバックで全システムを統合化し協調的な動作を実現する適応型協調制御方式の開発を行う.特にあらかじめ設定された制御目的と各部分システムの役割分担に固執せず,適宜,全体の目的達成のために個々の役割分担をも適応的に再調整する機能を有する(創発を含む)高次の適応型システムの構築を考えている.この研究の遂行により制御理論,適応学習制御,知的制御,知識科学の従来の枠組みを拡張するだけでなく,大規模で複雑な混合システムの創発を含む協調制御の実現という観点から,関連分野を統合する新たな研究領域の創成とその理論体系・基礎原理の整備も視野に含めている. 今年度も力学系を構成要素として含む大規模系(多体系)に対して,ネットワークグラフを用いて表される相互の通信制約を考慮して,特定の物体に対して自立的に合意形成制御を実現する非線形適応H∞制御方式の構築を行った.システムの特性や適応機構の不確定性,および相互情報の不完全な伝達などを,非線形H∞制御問題の外乱として定式化し,適応制御と非線形制御により安定性を確保しつつ,制御システム全体の性能を厳密に指定できる設計論の開発を行った. 特に通信制約が無向グラフあるいは有向グラフで表される場合の適応機構に与える大きな差異に着目し,内部モデル原理に基づく適応サーボ方式と強正実有理関数の相対次数の自由度を考慮して制御システム設計を全体的に見直すことで,次数や相対次数の不確定性およびパラメトリックと非パラメトリックな不確定性に対応できる非線形H∞制御型の適応協調制御方式の設計理論を構築する見通しを得ることが出来た.
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