2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of double-sided superconducting wire for high frequency and its application to high quality factor coil
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18K04230
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| Research Institution | University of Yamanashi |
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Principal Investigator |
關谷 尚人 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (80432160)
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| Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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| Keywords | 超伝導RFコイル / ワイヤレス電力伝送 / 高Q値コイル |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は超伝導応用にとって未開拓であった高周波帯（数10 KHz～数10 MHz）において非常に導体損失の小さい新規高周波用超伝導線材を開発し，それをコイルに用いることで飛躍的に高いQ値（銅コイルと比較して20倍以上）を実現することとそれをワイヤレス電力伝送の送受電コイルに用いて飛躍的に高い伝送効率を実現することを目的とした．
はじめに，超伝導体の保護膜として使用されている銀の膜厚がQ値に与える影響について検討し，影響を最小限に抑える銀保護膜の膜厚を明らかにした．次に，高周波用超伝導線材を用いてコイルを作製した際に使用する支持材（誘電体）がQ値に与える影響について検討し，支持材に使用する誘電体は誘電体損失ができる限り小さいものを使用しなければQ値が劣化することを明らかにした．また，誘電体の影響を最小限に抑えるために，支持材に使用する誘電体の量を減らすことがQ値の改善に有効であることを明らかにした．これら知見をもとに高周波用超伝導線材を作製し，それを用いたコイルのQ値を測定したところ，銅コイルのQ値の約20倍を実現し，当初の目標値を達成した．最後に，作製したコイルを送受電に用いてワイヤレス電力伝送システムを構築し，伝送効率を測定した．その結果，送受電に銅コイルを用いたシステムと比較して飛躍的に伝送効率が改善することを実証した．
以上より，本研究で開発した高周波用超伝導線材は銅線と比較して飛躍的に導体損失を低減でき，それによって，従来技術では限界であったワイヤレス電力伝送の伝送効率を大幅に改善できる唯一の技術であり，未開拓であった超伝導線材の高周波応用分野の礎を築く成果として非常に意義のある結果を得た．
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