2018 Fiscal Year Research-status Report
Development of highly-reliable textured piezoelectric ceramics by utilizing shape-controlled single crystal particles
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18K04254
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Research Institution | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
Principal Investigator |
石井 啓介 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), 電気情報学群, 教授 (30257208)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 圧電セラミックス / 圧延配向法 / 一段階溶融塩法 / テンプレート粒子 / 超音波処理 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.(K,Na)NbO3(KNN)系セラミックスの粒子配向制御に使用する板状NaNbO3(NN)結晶粒子の改良をおこなった。NaClとKClの混合塩を用いた一段階溶融塩法により合成した際には、単板状粒子が凝集した形状のNN結晶粒子が得られる。この凝集形状のNN結晶粒子へ施す超音波後処理の条件を調整した。超音波処理を行う媒質、容器の材質、洗浄槽内に固定する容器の位置等を最適化することにより、より効率的な凝集板状結晶粒子の解砕が実現された。マイクロメッシュを併用することにより、平均粒径が従来の70%に減少した。加えて粒径分布の非常に小さな単結晶粒子が得られた。 2.この改良されたテンプレートを用い、配向制御に必要なテンプレートの重量混合比を従来の5wt%から0.5wt%へと1/10に削減する手法を開発した。テンプレート使用量の減少に伴い、配向セラミックスの作製に必要な焼結温度は低下した。0.5wt%までテンプレート使用量を減らした場合でも、得られた配向焼結体の配向度や圧電定数は、テンプレート使用量が5wt%の時と同等であった。一方、テンプレート使用量の減少に伴い、焼結体に異常粒成長の発現が頻出した。この原因は、従来のテンプレート自身に含まれていたBi成分が配向焼結体の異常粒成長を抑制していたこと、作製法の改良に伴うテンプレート使用量の削減により焼結体に混入するBiが不足し、異常粒成長が抑制できなくなったことが原因であることが判明した。焼結前のKNN仮焼粉へBi2O3を後添加することにより、テンプレート量を減らしても異常粒成長を抑制できるも確かめられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
LiやK成分を多量に含有する板状NaNbO3テンプレート粒子の作製には成功しなかったが、当初の見積もり通り、従来よりも粒径の小さく粒度のそろった板状NaNbO3テンプレート粒子を作製することができた。この小型化されたテンプレートを用いることにより、テンプレート粒子の使用量を従来よりも大幅に減らすことに成功した。このため、初年度の研究目的をほぼ達成することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度確立された小型少量のテンプレートによる配向セラミックスの作製法を用い、粒径のより小さな配向焼結体を作製するための諸条件を決定する。粒径の小さな焼結体が得られたならばその機械的強度や高電界印加時の信頼性評価を試みる。
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Causes of Carryover |
物品費で購入したマイクロスコープの入札価格が予想よりも安価であったため、直接経費に残が発生した。
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Research Products
(4 results)