2018 Fiscal Year Research-status Report
Development of an optically-gated GaN power device
Project/Area Number |
18K04281
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大森 雅登 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 特任講師 (70454444)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 窒化ガリウム / GaN / イオン注入 / 活性化アニール / フォトルミネッセンス / ホール効果測定 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、光でゲート制御するGaN縦型パワートランジスタを実現するため、GaN自 立基板を用いたフォトトランジスタ構造素子の作製とその特性評価を行うことを目的としている。平成30度では、フォトトランジスタ構造の表面電極を形成するためのSiイオン注入技術の確立に取り組んだ。n型GaN自立基板上にMgドープp型GaNをMOVPE法にてエピタキシャル成長させた基板に対して、表面にSiイオンを様々なドーズ量・加速エネルギーにて注入し、活性化アニール後に活性化率と結晶欠陥の評価を行った。これまでのGaN上n型電極用のSiイオン注入に関する研究例では、コンタクト抵抗を低減させるためにドーズ量が1×10^15cm^-2以上と非常に高濃度に注入している報告が多い。しかしこの条件で評価を行ったところ、ドナー活性化率は10%程度で電子移動度も低くまだ結晶欠陥が多く存在していることを示唆する結果を得た。本研究ではnpn構造を作製し、np界面での光電荷蓄積を素子動作の基本としているため、界面欠陥により素子の性能が大きく低下することが危惧される。そこでイオン注入による結晶欠陥回復を最適化するため、ドーズ量と加速エネルギーを調整し、また、活性化アニールの条件も最適化を行った。その結果、ホール効果測定では移動度が100倍程度向上し、また、フォトルミネッセンス測定の解析結果からイオン注入前後の発光効率が同レベルであったため、結晶欠陥はほぼ回復しているが分かった。したがって、本成果によりイオン注入技術を用いて良好なnp界面を形成する手法を確立できた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画調書に記載した平成30年度の研究計画では、主にSiイオン注入によるn型GaN層形成手法の確立と注入欠陥の低減に取り組むとしている。この計画内容は、研究の概要で説明した通りほぼ達成されていることから、本研究はおおむね順調に進展していると考えられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成30年度で得られた成果をもとに、平成31年度ではフォトリソグラフィーとSiイオン注入を駆使してnpnフォトトランジスタ構造素子を作製し、その電気伝導特性および光照射特性の評価を進める。基礎特性評価の知見をもとにトランジスタ動作特性も詳細に評価し、高耐圧化に向けた素子設計を進める。
|
Causes of Carryover |
当初の計画ではGaNエピウエハをメーカーから購入することを想定していたが、所属していた名古屋大学では関連研究室や研究機関において比較的安価に結晶成長を依頼することができたため、次年度使用額が生じた。しかし、平成31年度は大分大学へ移籍したことからエピウエハはメーカーに依頼する必要がり、次年度使用額はこの購入費用に充てる。
|
Research Products
(3 results)