2022 Fiscal Year Research-status Report
圧電MEMSエネルギ変換デバイス高性能化のための強誘電体不揮発応力メカニズム制御
Project/Area Number |
18K04283
|
Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
山下 馨 京都工芸繊維大学, 電気電子工学系, 教授 (40263230)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野田 実 京都工芸繊維大学, 電気電子工学系, 教授 (20294168) [Withdrawn]
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 圧電体 / 共振 / 応力 / 周波数制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
圧電振動型MEMSデバイスにおいて,動的に共振周波数可変な機構を導入し飛躍的な高性能化を図る。今年度は,電圧印加時の撓み量と撓み形状の変化を考慮し,振動振幅が支配的になるモードの変化を詳細に評価して,超高解像度フェイズドアレイ超音波計測への応用のための制御方法を検討した。MEMSデバイスの圧電キャパシタにおいて,下部電極を共通とし,上部電極は内側にセンサ出力取り出し用,外側に電圧印加による共振周波数制御用の電極を設けている。電圧印加により撓み量が変化することにより共振周波数が変化するが,抗電界を超える高い電圧を印加すると外側電極部分の応力が特異的に増大するため,撓み形状が無電界時形状の相似形状から変化し,それにより生ずる振動モードが変化する状況が観測された。初期撓み量が3μm程度から10μmを超える範囲のダイアフラムにおいて,印加電圧範囲を0V(短絡状態)から抗電界の2倍に相当する10Vまで段階的に変化させ,支配的に生ずる振動モードと共振周波数の変化を詳細に計測した。その結果,初期撓み量が10μm程度のダイアフラムにおいて,0V時と8~10V時において,圧電出力に効率よく寄与できる中心対称形状の振動モードが現れ,かつ,共振周波数が80kHz程度から40kHz程度へ変化することがわかった。この周波数変化は提案している計測法に十分利用できる変化幅であり,電圧印加により再現性良くこの周波数を出現させることができれば,超高解像度フェイズドアレイ計測技術に適用できる可能性がある。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新たなデバイス作製が軌道に乗りつつあり,また既存のデバイスの評価により本研究により提案する技術の応用目的である超高解像度超音波計測へ向けての制御方法が見出されつつある。
|
Strategy for Future Research Activity |
電圧印加時の撓み量と撓み形状の変化を考慮し,振動振幅が支配的になるモードの変化を詳細に評価したところ,適切な振動モードにおいて共振周波数を2倍程度変化できることが分かった。今後は電圧印加により再現性良くこの周波数を出現させる条件を見出し,長期安定性を含めて超高解像度フェイズドアレイ計測へ実現できる制御方法を追究する。
|
Causes of Carryover |
新たなデバイス作製が軌道に乗り始めたところであり消耗品の使用実績が当初予定を下回ったため次年度使用額が生じた。今後デバイス作製のための消耗品費用と成果発表のための旅費および会議参加費等により有効活用する。
|
Research Products
(4 results)