2023 Fiscal Year Annual Research Report
Ferroelectric nonvolatile stress mechanism for improvement of piezoelectric MEMS energy conversion devices
Project/Area Number |
18K04283
|
Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
山下 馨 京都工芸繊維大学, 電気電子工学系, 教授 (40263230)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野田 実 京都工芸繊維大学, 電気電子工学系, 教授 (20294168) [Withdrawn]
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 圧電 / 共振 / 応力 / 周波数制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
構造物の共振特性はその構造寸法によって決まるが,構造内に圧電体を用いることで内部応力を動的に制御し,共振挙動を変化させることが可能で,特に微細なMEMS構造体では顕著な共振周波数変化が期待できる。本研究では,振動型圧電MEMSデバイスにおいて動的に共振周波数可変な機構を導入した。機械・電気エネルギ変換MEMSデバイスにおける共振制御について,そのメカニズム解明と制御性の最適化を追究し,これまで単一周波数のみで使用されていた振動型MEMSデバイスの高性能化を図ることを目的とした。具体的な応用としては,超音波アレイセンサへの適用・評価を検討した。 評価デバイスとして,薄いダイアフラム構造上に圧電キャパシタを形成してエネルギー変換デバイスを作製した。キャパシタの片側電極を変換エネルギー取り出し用と外部応力印加用に分割し,電圧印加により共振周波数を制御する構造として,共振挙動を理論面と実測面から追究した。共振挙動の評価については,走査型レーザドプラ振動計測により,パルス超音波照射時の振動モードと固有振動数を計測するインパルス応答解析手法を確立した。 理論解析においては,まずダイアフラムの残留応力から座屈撓み量を算出する静的解析法を確立した。つぎに振動による運動エネルギーを含めた動的解析法を確立し,固有振動数を座屈撓み量の関数として表現することを可能とした。この解析手法を円形ダイアフラムの振動に適用したところ,各振動モードの固有振動数の変化や共振挙動が実測によく一致することを確認した。 最終的に超音波アレイセンサへの応用として,同一デバイスにおいて固有振動数を2倍以上変化させる制御手法を確立した。どちらの周波数においても高い変換効率を実現できるセンサ形状と振動モードを維持しており,従来の理論的限界を超える超高分解能の超音波計測技術に適用できる可能性を確認した。
|