2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a New Silicon X-ray Sensor with Both Wide Dynamic Range and High Sensitivity
Project/Area Number |
18K04285
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Research Institution | Fukuoka Institute of Technology |
Principal Investigator |
有吉 哲也 福岡工業大学, 情報工学部, 准教授 (60432738)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有馬 裕 九州工業大学, マイクロ化総合技術センター, 教授 (10325582)
坂本 憲児 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 准教授 (10379290)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | X線 / シリコン / センサー / 光子 / フォトダイオード / 半導体 |
Outline of Annual Research Achievements |
X線イメージングは人体や物体の内部構造を得る手段で幅広く利用されている。従来のエネルギー積分方式では透過X線のエネルギー情報はX線検出器にて積算されて失う。また、暗電流も積算されるので、この暗電流を凌駕するために過剰なX線照射量を必要とし、被曝線量が増加する。新たなX線イメージング法としてフォトンカウント方式が提案されている。この方式では透過X線光子を一つ一つ計測し、エネルギー情報も取得でき、X線イメージング像の元素マッピングが可能となる。また、波高値の閾値を超えたX線パルス信号のみを計測するので暗電流などの雑音を除去でき、照射X線量を抑えることができ、人体への被曝線量を少なくできる。 本研究では安価で良加工性で信号キャリアの輸送特性に優れたシリコンをフォトンカウント方式でのX線検出器材料として利用する。P型シリコン基板中にPN接合型フォトダイオードをトレンチ状に形成する。センサー基板の側面方向からX線を照射することでX線を効率よく検出することができる。 シリコンX線センサーを試作し、X線-信号電流変換効率83%を達成している。しかし、管電圧80~120kVのX線はシリコンに対してはコンプトン散乱の割合が大きくなり、X線画像のにじみが問題となる。そこで本研究では画素間に溝を掘り、金膜を埋設することでコンプトン散乱X線が隣接画素へ侵入しない構造を想定し、PHITSを用いて画像のにじみ具合(解像度)の指標であるコントラスト伝達関数(Modulation transfer function:MTF)を評価した。その結果、厚さ30μmの金膜で従来のCdTe材料のセンサーに匹敵するMTF値を達成することが分かった。また、単一X線光子検出のための素子及び測定回路系を設計し、60keVのγ(X)線光子の検出に成功した。
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Research Products
(1 results)