2019 Fiscal Year Research-status Report
ソフトウェア無線に適した高感度で帯域可変な3相信号処理無線受信LSI設計技術
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18K04288
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Research Institution | Nippon Institute of Technology |
Principal Investigator |
宇賀神 守 日本工業大学, 基幹工学部, 教授 (90506164)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 信之 岡山県立大学, 情報工学部, 教授 (10598519)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | VCO / 位相補正 / 多相アナログ信号 / アナログ回路 |
Outline of Annual Research Achievements |
インダクタと容量を用いた電圧制御発振器(LC-VCO)の発振周波数が大きくなると、トランジスタの遅延時間により発振周波数がLCの共振周波数よりも小さくなる。この周波数ずれによる性能劣化を低減するため、多相VCO出力の電圧加重加算や電流加重加算などによる入力へのフィードバックを用いた位相補正回路の検討を進め、低コストで実現が容易な4相LC-VCOの位相雑音低減回路の詳細を考案した。 180nmCMOSプロセスのパラメータを用いたspecterRFを使用したシミュレーションの結果、電圧加重加算フィードバック構成による4相LC-VCO回路の位相雑音は最大で7dB改善し、位相雑音と消費電力から計算した性能指標(FoM)は9dB改善することを確認できた。電流加重加算フィードバック構成による4相LC-VCO回路においては、周波数可変レンジの拡大が可能になる見通しを得た。これらの構成は既存の回路から信号を分岐させて素子を追加するだけで位相雑音の改善が可能であることを示している。 上記の検討結果を基に、台湾のTSMC社でICを製造するためのVCO ICのレイアウトデータを複数種類作成し、TSMC社による試作製造を行った。動作確認測定において、全てのVCO回路で、ほぼシミュレーション通りの発振周波数および消費電力で動作していることが確認できた。現在、各種バイアス設定の最適化を模索中である。 さらに新しい回路構成として4相及び3相のコルピッツ型VCOに電圧加重加算および電流加重加算の位相補償回路が適用できる見通しを得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルスの蔓延により、試作したVCO集積回路の測定が1か月以上滞っているため。
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Strategy for Future Research Activity |
試作した集積回路による実測検証、性能を向上するための問題点の洗い出しを行う。その結果を用いて、VCO ICの再設計および再試作、再測定を行い回路構成の最適化を進める予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス蔓延により、測定器のある研究分担者の研究室(岡山大学)への出張が困難になったため測定が滞った。これに伴い、出張費やデータ整理のためのアルバイト代が次年度使用になった。
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Research Products
(1 results)