2018 Fiscal Year Research-status Report
Automatic crack detection from pavements using deep neural networks with small data set
Project/Area Number |
18K04302
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
藤田 悠介 山口大学, 大学院創成科学研究科, 准教授 (40509527)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 深層学習 / 画像処理 / 外観検査 / 社会基盤 / 舗装路面 / 知的情報処理 / 省力化 / 機械学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
橋梁・トンネルや道路などの社会インフラの老朽化を迎え、これらのインフラをいかに維持管理していくかは重要な課題である。近年、構造物の点検の高度化・効率化に向けて深層学習の活用にかかる期待は大きい。しかし、想定される多様な環境下でデータを取得し、取得されたデータに正解データを付与した大規模な学習データを作成とすることは困難であり、データの作成をいかに省力化するかは重要な課題である。本研究課題では、舗装路面のひび割れ評価の高精度化と効率化を目的として、従来の画像処理と深層学習を組み合わせた、少数の学習データによりモデルを構築する方式を開発することを目的とする。 平成30年度は、深層学習によるひび割れ抽出に取り組んだ。まず、舗装路面の画像データを新たに整備しながら、既存のコンクリート構造物を対象とした画像データを用いてコンクリート構造物のひび割れ抽出法の開発を並行して進めた。既存の半自動処理を効率的にかつ精度良く処理するために、深層学習を適用した新たな自動処理方式を開発し、従来の画像処理による自動抽出法の精度を上回ることを確認した。この方式は、舗装路面のひび割れ抽出においても適用可能である。 また、舗装路面画像では特に照明の不均一性により、未学習の条件に対して頑健性が低く、多様な条件に応じた学習画像が必要であることを実験により確認した。この問題に対して、あらかじめ処理を施した画像を入力とする方式を開発し、検証実験により比較的小規模な学習データにおいて高精度に処理できることを確認した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コンクリート構造物の画像データを用いて、基盤とする深層学習を用いたひび割れ抽出法を開発した。この手法により、従来の画像処理による自動抽出法を上回る性能が得られることを確認している。 また、深層学習による手法を舗装路面データに適用して、照明変動の影響が問題であることを明らかにした。その対策として前処理を導入することにより、小規模な学習データにより高精度な処理を実現可能であることを実証できた。 以上より、基盤となる手法の構築が完了し、画像処理と組み合わせることにより比較的少量の学習データにより深層学習が可能なことを確認できており、おおむね順調に進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
これまでに基盤となる手法を構築しており、舗装路面のひび割れ評価の実用化に向けて、開発したモデルの適用と深層学習を用いて処理を高精度化することが課題である。そのために次の2点について検討する。まず、現状の処理モデルの性能を向上させるため、深層学習の枠組みによる改良を図る。また、画像上の視認性の低い箇所の検出性能を向上させるために、後処理として未検出箇所の自動検知モデルを開発する。
|
Causes of Carryover |
次年度使用が生じた理由は、旅費を当初計画より抑えられたからである。 次年度に、研究成果発表のための旅費として活用する予定である。
|