2020 Fiscal Year Research-status Report
ラインセンサタイプ全視野ひずみ計測装置を用いたコンクリートの各種劣化機構の解明
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18K04304
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
伊藤 幸広 佐賀大学, 理工学部, 教授 (90223198)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
出水 享 長崎大学, 工学研究科, 技術職員 (00533308)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | コンクリート / ひずみ / 乾燥収縮 / ラインセンサスキャナ |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、ラインセンサタイプ全視野ひずみ計測装置を用いてコンクリートの各種劣化の進行過程を精度良く実測、可視化するためにコア供試体をスキャニング可能なアタッチメントの開発を行った。 アタッチメントは、計測装置の上面に設置し、供試体をスキャニングできるものである。アタッチメントには、樹脂製のフォルダに固定したφ100mmの供試体を4個セットでき、個々の供試体撮影面のピントを合わせる高さ調節ねじを設けた。また、画像の回転を抑制するために、樹脂フォルダ側に2か所突起部を設け、アタッチメント側には突起部を当てるL形金具を取り付けた。 実験では、開発したアタッチメントの性能を確認するため、ピントを変化させた実験および供試体に回転を与えた実験を行い、ひずみ計測精度および再現性について調べた。また、コンクリート供試体の乾燥収縮ひずみの変化を計測し、アタッチメントの適用性について検討した。 ランダムパターンを塗布した円形鉄板を3回連続でスキャンした3枚の画像から1組の画像を用い、主走査方向のひずみを算出した。ピントが合った画像、0.15mmピントをずらした画像および0.3mmピントをずらした画像について、ひずみ誤差の分布を調べた結果、ピントが合った画像の標準偏差は10.5μであるのに対し、0.15mmピントずれのそれは31.0μであり、0.3mmピントずれは58.3μとなり、ピント調整機構の必要性が確認できた。 各種劣化の進行過程を実測、可視化するために、供試体を浸漬後、60℃で1日乾燥させた供試体を初期画像とし、4日乾燥後を比較画像とした場合の最小主ひずみ分布のコンター図を求めた。コンター図より、粗骨材とモルタル界面の各所において線状の大きな収縮ひずみが見られ、コンクリートの乾燥収縮に関する新たな知見が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナの関係で実験の実施や打ち合わせが遅延した。また、ラインセンサタイプ全視野ひずみ計測装置を用いてコンクリートの各種劣化の進行過程を実測、可視化するために開発したアタッチメントの改良に時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
アルカリ骨材反応が進行した円柱供試体を切断し、昨年度までに開発した手法やアタッチメントを使用し、反応性骨材が膨張しひび割れに至るメカニズムの解明を試みる。また、塩害によるひび割れの進行に関しては、電食を行いひび割れを発生させたプレキャスト部材を用いてひび割れの進行状況の可視化およびひび割れ幅の計測を行う。
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Causes of Carryover |
研究を遂行した結果、新たに確認しなければならない事項が発生したため、装置類を開発する実験を研究計画に追加した。研究計画の一部変更により次年度使用額(繰り越し)が生じた。また、コロナの影響により実験の進捗がやや遅れた。当初の研究計画に戻し実験を遂行するため翌年度分として請求した助成金と合わせて経費の使用を行う予定である。
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