2019 Fiscal Year Research-status Report
異なる粉体から生成される水和物の物理化学特性を考慮したコンクリートの物質移動特性
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18K04310
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
伊代田 岳史 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (20549349)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | セメント水和物 / 炭酸化 / 塩分浸透 / 固定化・吸着 / 遷移帯 / CSH硬化促進剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
セメント水和物の化学的特性の定量化とコンクリートによる物質透過性の評価の両者の検討を実施してきた。 (1)セメント水和物の化学的特性の定量化においては、各種生成する水和物の変化によるCO2および塩化物イオンの固定について、評価することを検討した。CO2においては、高炉スラグ微粉末およびフライアッシュを用いて置換率を変化させた異なるW/Bのセメントペーストとモルタルを用いて、水和物および炭酸化後の生成物と炭酸化速度について比較した。結果、水和物中のCaO量が大きく炭酸化速度に影響するが、W/Bが小さいと物質移動に依存することで化学反応が抑制され、W/Bが大きいと物質移動特性が卓越することが分かった。また塩化物イオンでは、塩分吸着剤を用いて塩化物を固定化することによる影響を分離することを実施した。 (2)コンクリートを用いた物質透過性では、塩化物イオンでは透過させる駆動力を自然、濃度勾配、電気などを用いることでその影響が異なることを確認した。特に高炉スラグを用いることで、挙動が大きく異なることが分かった。またブリーディング量や遷移帯については、骨材を先に敷き詰めてモルタルを作るTSCを用いて、そのブリーディングや遷移帯の影響を表現すること、および試験体コアを垂直と水平方向から採取することでその影響について、遷移帯の大きさを表現することを行った。さらに、混和剤としてCSHナノ粒子を用いた反応生成場を作ることで、遷移帯を抑えることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
セメントペーストの検討は非常に精力的に行うことができた。またコンクリートの試験においても、視点を変えることで進捗が大きく進んだ。
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Strategy for Future Research Activity |
化学組成においては、XRDの検討やCSHの組成などに踏み込みたいが、どこまで可能かを見極めていきたい。 一方で、コンクリートへの拡張は、この検討方法を継続して行くことで、もう少しリンクを踏めるのではないかと考える。 これをもとに、国内外の学会への投稿を目指す。
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Causes of Carryover |
最終年度において、コンクリートの実験を実施する予定であり、差額分を実験費用に充てたいため
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