2019 Fiscal Year Research-status Report
Innovative Non-Destructive Diagnosis Methods for Quality of Concrete Surface and Internal Defects of Concrete by Elastic Wave Input System based on Magnetostriction Drive
Project/Area Number |
18K04314
|
Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
内田 慎哉 富山県立大学, 工学部, 准教授 (70543461)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | コンクリート / 表層品質 / 火害 / 塩害 / 弾性波法 / 磁歪 |
Outline of Annual Research Achievements |
コンクリートの表層品質を評価するための「磁歪型弾性波装置」を試作し,火災で劣化したコンクリートおよび塩害で劣化したコンクリートの品質を,非破壊で診断するための手法についての検討を行った。以下に,それぞれの概要を示す。 1.火災で劣化したコンクリート 火災で劣化したコンクリートを模擬するために,長さ900mm,幅900mm,厚さ250mmのコンクリート版の試験体をガス加熱炉にて500℃で4.5時間加熱した。この試験体の鉄筋の付着状態を含むかぶり部分のコンクリート品質を評価するため,加熱面に「磁歪型弾性波装置」を設置した。この装置は,励磁コイル(外径35mm,内径31mm,厚さ4mm,高さ27mmの円筒形状のものに導線を巻き付けたもの)の端部に強磁性体(直径45mm,厚さ3.2mmの円板形状の薄い鉄板)を貼付けたものである。導線に瞬間的な大電流(3000A)を流すことにより,強磁性体が振動する。装置を使用した測定は,加熱前,加熱後および加熱後に水中に2時間浸漬した後の計3回行った。 2.塩害で劣化したコンクリート 塩害で劣化したコンクリートを模擬するために,長さ850mm,幅300mm,厚さ150mmの鉄筋コンクリート試験体を電食により鉄筋腐食をさせた。鉄筋とコンクリートとの付着状態を評価するために,「磁歪型弾性波装置」による測定を行った。 いずれの対象においても,「磁歪型弾性装置」によりコンクリート中へ弾性波が入力できることがわかった。しかもその入力波形は,鋼球打撃による従来法と比較して,極めて安定かつ再現性があることも明らかとなった。しかしながら,対象を適切に評価するためには,弾性波の入力エネルギーを大きくし,また縦波に加えて,表面波などの指標値に着目するなどの工夫が必要であることがわかった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
「磁歪型弾性波装置」によりコンクート中へ弾性波を入力できることがわかったものの,評価対象を適切に診断するためには,装置の改良などを含めた検討が必要なため,若干ではあるが遅れが生じている。装置改良を伴うため,昨年度の課題でもあったPCグラウト充填評価についての検討も遅れ気味である。 一方で,新たに塩害も評価対象に加えており,当初の計画よりも幅広く研究を行っている。そのため,各種要因で劣化したコンクリートに対する本手法の適用範囲を明確できる可能性がある。
|
Strategy for Future Research Activity |
以下,3点について検討する予定である。 ①「磁歪型弾性波装置」の改良 ②評価対象を適切に検出するための信号処理方法の検討 ③RC床板の水平ひび割れの評価
|
Causes of Carryover |
「磁歪型弾性波装置」の改良に遅れが生じているため。 装置を改良した上で,新たに検討項目として加えた塩害においても評価できるように,「磁歪型弾性波装置」による非破壊診断手法を開発する。
|