2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development of diffusion barrier materials using inorganic ion exchanger for hazardous ions.
Project/Area Number |
18K04316
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
苑田 晃成 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 四国センター, 連携主幹 (90357335)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ゲル / セシウム / 寒天 / プルシアンブルー / 遮水 / 拡散防止 / バーネサイト |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、マンガン-鉄系イオン交換体(セシウムやヒ素を選択的に吸着)と安価な担体(寒天など)を用い、ゲル状成形を行い、有害物質の拡散防止剤の開発を行った。 平成30(2018)年度から令和2(2020)年度までの3カ年計画であったが、発表を予定していた国際会議がコロナの影響で1年延期となったため、補助期間の1年延長申請を行い、承認頂けたため、未執行の予算を活用し、延期となった国際会議で以下の内容の発表を行った。 マンガン-鉄系イオン交換体(ナトリウム・バーネサイト)では、十分なセシウム除去性能が発現出来な無かったため、よりセシウム選択性の高いプルシアンブルーを用い、寒天相を2相化することで、セシウム拡散防止剤としての遮蔽性評価を行った。2相化することで、プルシアンブルーナノ粒子が直接溶液相に接しないため、反応初期にはセシウム濃度が低下したが、プルシアンブルーナノ粒子が寒天のみの相を通過し、溶液相に達したため、11日目以降、溶液相のセシウム濃度の上昇が見られた。一方、不溶性プルシアンブルーの場合、移動度が低いため、経時変化に伴うセシウム濃度上昇は見られなかったが、セシウム濃度低減効果は低かった。この原因として、寒天中に含まれるナトリウムイオンなどアルカリ金属イオン濃度がセシウムに比べて高い事が考えられる。ヒ素吸着剤を用いたヒ素濃度の低減割合に比べ、セシウムの低減効果は低かった。イオン交換体を含まない寒天のみの場合でも、濃度勾配効果でセシウムは寒天中に取り込まれたため、拡散防止材料としては、寒天のみでも希釈効果が認められた。有害物質の拡散防止剤として、ゲルを形成する材料のみでも、効果を期待できる事がわかった.
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