2019 Fiscal Year Research-status Report
中空鋼製橋脚柱のコンクリート充填による耐震補強工法での耐力上昇の抑制法
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18K04322
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| Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
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Principal Investigator |
海老澤 健正 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (90332709)
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| Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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| Keywords | 耐震設計 / 鋼製橋脚 / 補強 / CFT / 変形能 / 耐力 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
中間弱層導入によってCFT柱の耐力上昇が抑制される効果を縮小模型供試体載荷実験により検証を行った．平成30年度におけるの数値解析による事前検討によって，上部の充填コンクリートの自重を支持できるだけの強度があれば，耐力上昇抑制および変形性能確保が基本的に可能であることが判明したため，縮小模型実験に用いる中間弱層として，入手性や施工性を考慮してポリスチレンボードを用いることとした．また，特性を大きく支配する層厚については，矩形断面橋脚での事前解析により最適値として10mmを選定した．その結果，矩形断面橋脚の縮小供試体を用いた静的繰り返し載荷試験では，CFT橋脚と比べて載荷初期での耐力上昇が抑えられ，また，荷重ピーク到達の耐力低下も小さいものとなってその後の変形能も十分得られることが確認された．一方，円形断面橋脚については，層厚10mmではピーク荷重の半分程度まで耐力低下が生じて変形能が十分には得られなかったため，円形断面橋脚として最適設計を行い層厚を3mmに変更した．その結果，円形断面橋脚でも矩形断面橋脚同等の効果を確認することができた．
次に，これらの実験を踏まえて，解析モデルのキャリブレーションを行い再現精度の向上を図った．特に，本構造の再現解析でキーとなる，中間弱層の機械的性質については，ポリスチレンボード単独での圧縮試験や構造試験結果のフィードバックにより調整を行った．その結果，履歴曲線や鉛直方向変位の推移といった橋脚としての履歴特性を精度よく再現することが可能となった．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度における事前解析において，本年度実施した縮小模型供試体実験結果を比較的良好に予測ができていたことで，中間弱層の材質や層厚，挿入位置等の試行錯誤が少なく，試験体数の増大を抑えることができ，工程の遅れを生じさせずに実施した．
また，解析モデルの改良については，無充填橋脚あるいは中間弱層を導入していない通常のCFTについては過去の実験データを用いることで，鋼材や充填コンクリートの構成則のキャリブレーションを今回の実験と並行して先行して実施できたことから，中間弱層の材料モデルの改善に注力することができた．
以上により，当初目標としていた，縮小模型供試体の静的載荷試験による中間弱層の効果の確認およびその再現解析をほぼ予定通りに遂行した．
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| Strategy for Future Research Activity |
令和2年度においては，令和元年度の実験により精度確認がなされた数値解析モデルを用いて，中間弱層の材料特性，層厚，挿入位置を広範囲に変化させたパラメトリックスタディを行って，中間弱層の各パラメータ値とCFT柱の耐震性能(変形能，耐力)の最終的な関係を定量的に明らかにする．これにより，耐震補強で目標とする柱の耐震性能が設計条件で与えられたとき，中間弱層の設計に必要な材料特性，層厚，挿入位置などの目安を得ることができる．さらに，この目安を初期値として，精緻なFE解析に基づく最適化計算でCFT柱に要求される耐震性能を満足する中間弱層の設計手法を確立する．
また，令和元年度の実験において通常のCFT橋脚と比べて，中間弱層を導入した場合には局部座屈が大きくなり，特に矩形断面橋脚においてき裂が生じやすい可能性があることが確認された．その対策について実験および数値解析により検討を加える．この問題は申請時においては想定をしていなかった点であり，追加の実験となるが，当初予定していた中国同済大学での加振実験が新型コロナウィルスの影響により事実上実施不可能であることから，これに代えて実施するものである．
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Research Products
(6 results)
