2019 Fiscal Year Research-status Report
焼成ホッキ貝殻により膨張を付与したセメント硬化体の内部組織構造と耐凍害性の定式化
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18K04336
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Research Institution | Tomakomai National College of Technology |
Principal Investigator |
渡辺 暁央 苫小牧工業高等専門学校, 創造工学科, 准教授 (00422650)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 崇 苫小牧工業高等専門学校, 創造工学科, 准教授 (50290672)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 焼成ホッキ貝殻 / 膨張 / 反射電子像 / 毛細管空隙 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は焼成ホッキ貝殻粉末をセメントに置換して作製した膨張性モルタルについて耐凍害性を評価することを目的とした研究である.2年目の成果として,温度応力試験によるモルタルの凍結による体積変化の評価方法について,試験方法の確立を実施した.モルタル供試体を固定する治具の不具合を解消し,適切な温度応力の測定が可能となった. また,膨張性能の評価としては,コルゲートチューブ法による,フレッシュ時から硬化過程の長さ変化試験による評価を行った.また,膨張性モルタルを拘束してケミカルプレストレスを与えたとき,ケミカルプレスによる内部組織の緻密化とモルタルの圧縮強度の対応を把握した.焼成ホッキ貝殻粉末をセメントに4-6%程度置換して拘束型枠に打設すると,組織が緻密化され圧縮強度が増大する.一方,それ以上の置換率になると組織が粗になり圧縮強度が低下する.なお,内部組織評価は,反射電子像の画像解析により評価しており,膨張性モルタルの強度特性を検討する上でも,本手法の有効性が確認された. 拘束環境下における膨張性モルタルの緻密化による圧縮強度の増大は,焼成ホッキ貝殻粉末の適切な置換率の設定が必要である.置換率4-6%のとき,コルゲートチューブ法による長さ変化は,初期の収縮と膨張のバランスがとれており,打設時からの長さ変化がほとんど認められない.そのため,適切な置換率の目安として,セメントの水和反応によるフレッシュ時の収縮量に相当する膨張作用が必要と考えられる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年目の課題であった温度応力試験の不具合を解決し,本手法による耐凍害性の評価手法の適用性に道筋が示された.また,焼成ホッキ貝殻による自由膨張および拘束膨張の特性と内部組織の解明が進んでいる.そのため,最終年度の研究で当初の計画研究の達成に目処が立った.
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Strategy for Future Research Activity |
焼成ホッキ貝殻粉末混入モルタルの温度応力試験を進めデータを蓄積する.これまで得られた内部組織の定量評価結果と温度応力試験の結果から,膨張性モルタルの耐凍害性を評価する.
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Causes of Carryover |
温度応力試験方法の改善のため治具の改造を計画していたが,供試体の拘束具の簡易な改良で対応できたため,未使用額が発生した.
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