2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K04349
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
吉嶺 充俊 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 准教授 (80251338)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 一面せん断試験 / 砂 / 定常状態 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は砂の定常状態における拘束圧と密度の関係を一面せん断試験で求めることを目的としている。一面せん断試験ではせん断に従ってひずみや密度の不均一が生じるので、供試体の密度不均一を把握して、せん断帯内部の密度を測定することが重要である。供試体全体の体積がVaでその平均的な密度がRa=m/Vaであるとき、変形は体積がVbのせん断帯に集中していて、せん断帯の中の密度はRbで均一であると仮定する。また、せん断帯以外の体積Va-Vbの部分では密度が初期値Rcに等しく保たれていると仮定すると、Rc=-(Va/Vb)(Ra-Rc)+Rbという関係があることを利用してVbとRbを求めるという方法を提案している。昨年度は標準砂を用いて上記の手法を開発したが、供試体の密度不均一(体積Vbのせん断帯の発生)には砂試料の粒径が大きく影響すると言われていることから、粒径が異なる4種類の珪砂の試料を準備し、それぞれに対して多様な初期密度条件のもとで約140回の一面せん断試験を実施した。そして昨年度に実施した三軸圧縮試験結果と比較した。また、これらの実験結果から初期密度によってせん断帯の大きさが若干変化することに対応したVbとRbを求める方法を考案した。さらに、新たに分割式のせん断箱を設計・製作し、マーカーを有する特殊な供試体を用いて、せん断後の供試体断面を観察することにより、提案手法によって推定されたせん断帯の大きさが実際の観察と矛盾しないことを確かめた。一面せん断試験で求めた拘束圧と密度の関係を検証するための単純せん断試験も実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
粒径が異なる4種類の珪砂を用いて一面せん断試験を実施したことにより、様々な粒度の砂に対して提案手法の妥当性が確証できたと考えている。供試体断面の目視によるせん断帯の観察や、三軸圧縮試験・単純せん断試験結果との比較により、提案手法の信頼性を高めることができた。 当初の研究計画では当該年度にX線CTスキャンによって一面せん断試験で生じるせん断帯の密度を定量的に測定して、提案手法による推定値を検証する予定であったが、これは来年度に延期された。これは他機関の設備を利用する実験であるが、実際の実験実施は数日で完了できるものであり、日程としては問題ないと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
土の一面せん断試験では供試体の変形が不均一であるため密度変化を定量的に把握する手法を開発する必要がある。このためには実際にせん断変形を生じている部分(せん断帯)の大きさを把握することが必要である。そのために供試体をせん断後に分割できるせん断箱を用いて供試体断面の観察を行ってきたが、3次元的なせん断帯の形状や広がりを把握することは難しく、また目視では定量的な測定はできない。さらに、密度の測定は全く不可能である。そこで、X線CTスキャンによって一面せん断試験供試体の3次元的は密度分布測定を試みる。 一面せん断試験と同じ試料を用いた一面せん断試験以外の試験との比較を行うことも提案手法の妥当性と普遍性を検証する上で重要である。比較対象とする非排水三軸圧縮試験はすでに実施済みであるが、一面せん断試験とほぼ同一の主応力条件での試験が可能な単純せん断試験に加えて三軸伸張せん断試験も加えて、応力条件が定常状態特性に与える影響も調べることにより、特別な装置でなく標準仕様の一面せん断試験装置を用いて高い利便性と実用性を持ちつつ信頼性の優れた砂の定常状態を評価できる方法を提案する。研究成果は国内外の学会などで随時に発表していくとともに、研究全体を論文にまとめて学術雑誌に投稿する。
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Causes of Carryover |
他機関が所有するX線CTスキャン装置を用いて一面せん断試験供試体の3次元的は密度分布測定する計画が来年度に繰り越され、そのためのアクリル製せん断箱の製作費用、実験装置の輸送費用、旅費などが次年度使用となった。実験自体は数日で完了できるものであり、問題なく使用できる見込みである。
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Research Products
(5 results)