2018 Fiscal Year Research-status Report
間隙構造に着目した盛土の健全性評価手法と強靱化対策工の提案
Project/Area Number |
18K04356
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Research Institution | Hachinohe National College of Technology |
Principal Investigator |
清原 雄康 八戸工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (20369911)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 水分特性曲線 / 不飽和浸透 / 不飽和土 / しらす / 三軸試験 / 細粒分含有率 / 盛土 |
Outline of Annual Research Achievements |
施工後16年経過した火山灰質土からなる野外盛土の降雨時浸透挙動,水分特性履歴からの間隙径推測,施工当初との劣化度比較のための研究を実施した。施工後,長期間経過により劣化した試験盛土の土留め壁の交換,修復,土壌水分,電気伝導度,土中温度が測れる計測機器への交換,埋設を行った。サクションを測定するためのテンシオメーター,雨量計,表面流出測定のため雨量計を再設置した。2018年9月から本格的に計測を開始した。 9月から12月初旬までの,土壌水分とサクションの経時計測結果から,水分特性曲線の履歴を求めた。2004年当初の結果と比較したところ,予想通り,保水性が低下している傾向にあることが分かった。表面付近の試料を採取し,粒度試験を行ったところ,細粒分含有率も低下し,劣化が進行していたことが分かった。また,降雨後に土壌水分が最大値をとるまでに要する時間は当初と比べ,短くなり,降雨時に雨水が浸透しやすくなる結果となった。これは,地下水位の上昇を招きやすく,降雨時に崩壊しやすくなったことを意味し,今回の計測手法は一連の危険度評価にも役立つものと思われる。 さらに,劣化対策として,しらす土にベントナイトを混合して細粒分を補った供試体の圧密非排水三軸試験を行った結果,未混合の供試体に対して,正の間隙水圧発生が抑えられ,負のダイレイタンシー抑制効果が確認された。最大強度が2~1.5倍に増加し,粘着力が回復する結果が得られた。 しらす土の地震時繰返し挙動把握のための変形特性試験,液状化強度試験,成果発表も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
土留め壁の修復,計測機器の再設置が予定通り完了し,計測機器も順調に稼働している。当初予想していた通りの結果が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
あと半年程度,計測データを収集し,浸透挙動傾向の再確認,結果の分析,整理し,報告書,論文集に投稿する予定である。さらにベントナイトミルクによる流失した細粒分の補充,目詰め効果についての研究,植生が土壌水分変化に及ぼす影響,多孔質で破砕性のあるしらす土粒子単体の基本的性質,ダイレイタンシー特性を明らかにするための研究も行う。
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