2022 Fiscal Year Annual Research Report
Soundness evaluation method and toughening proposition for embankment focussing on soil structure
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18K04356
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Research Institution | Hachinohe National College of Technology |
Principal Investigator |
清原 雄康 八戸工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (20369911)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | しらす / 不飽和土 / 水分特性曲線 / 有限要素解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
火山灰質土のしらすからなる野外盛土を2004年に作製して2021年で18年が経過した.降雨時における体積含水率やサクションの変化,草木本類の有無が浸透挙動に及ぼす影響,貯留率や水分特性曲線による保水性の経年変化などを定量的に把握した.盛土表層付近では細粒分が顕著に減少,間隙比が増加し,内部でも植物根の侵入が生じていた.木本類が有る時の方が無い時より体積含水率は低めに推移し,降り始めから体積含水率が最大になるまでや表面流下が生じ始めるまでの所要時間,連続雨量は増加傾向で,葉面貯留の影響が生じた.盛土内部の貯留率は2018年以降で最大60%と2004年の最大80%より約20%低下し,保水性が低下する傾向に変化した. 野外盛土の降雨時浸透挙動を再現するために,実測各測点での初期体積含水率がその該当節点での解析初期条件となるよう準反復法によりサクション解を求めた.さらに,実測水分特性曲線の主吸水過程と主排水過程間の遷移曲線を考慮できる2次元不飽和浸透流有限要素解析コードを開発した.様々な降雨イベントに対し,ほぼ同じ設定水分特性曲線パラメータを用いて,体積含水率の変化挙動を再現出来た. 繰返し荷重作用時のしらす土の摩耗を定量的に評価し,土水連成有限要素解析コードを用いて所定の時間間隔で節点間の相対変位量に応じた摩耗の考慮,それに伴う間隙比の増加,せん断剛性低下を想定した計算を行ったところ,摩耗有りの方が早期に液状化に至ることを把握出来た. 飽和砂を用いたひずみ制御繰返し三軸試験を行い,移動硬化則の背応力を制御した陽解法プログラムにて得られた解析結果との比較検証を行った.応力反転時,背応力を応力比に置き換えると良好な整合性が得られた. 「施工後18年経過したしらすからなる野外盛土の降雨時浸透挙動の変化」と題して,土木学会論文集(査読付き)に2023年3月に採択が確定した.現在掲載待ちである.
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