2021 Fiscal Year Research-status Report
バイオスティミュレーション法を用いた地盤改良工法の実用化に向けた研究
Project/Area Number |
18K04357
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Research Institution | Kure National College of Technology |
Principal Investigator |
加納 誠二 呉工業高等専門学校, 環境都市工学分野, 教授 (40280408)
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Project Period (FY) |
2021-01-01 – 2023-03-31
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Keywords | 微生物 / 地盤改良 / ウレアーゼ活性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、バイオスティミュレーション法によりる地盤固化工法に用いられる微生物の同定とその微生物の特性を把握し、より効果的に固化するための条件などについて検討することを目的としてる。本研究では、校庭で採取した土試料、付近の山から採取したまさ土試料を対象として実験を行った。また、比較のため、バイオスティミュレーションによる固化が確認されている沖縄県読谷村の海岸で採取した土試料も同条件で検討している。実験結果は以下のとおりである。 3種類の土試料と培養液(尿素、酵母エキス、酢酸ナトリウム、塩化アンモニウムを含有)をチューブにいれ、12時間ごとにpHを測定したところ、すべての土試料で36時間~48時間でpHが9以上となり、ウレアーゼ活性菌が存在することが分かった。そこで、ウレアーゼ活性菌を培養するため、固定培地に塗布し培養し、菌の単離を行った後、菌の同定を行ったところ、校庭の土試料ではCytrobacillus depress、まさ土試料ではStaphylococcus epidermidisa、沖縄の土試料ではBacillus cercusであった。これらは以前の研究と比べると異なる菌種であるうえ、病原性が指摘される。このことはバイオスティミュレーションによる固化工法において菌種を固定することが難しく、より詳細に検討していく必要があることが分かった。 炭酸カルシウム析出実験では、液体チップ内に培養した菌とセメンテーション溶液(カルシウムイオンを含む)を注入し炭酸カルシウム析出状況を確認を顕微鏡を用いて行ったところ、セメンテーション溶液中のカルシウムイオンが多いほうが炭酸カルシウムが大きくなる傾向にあったが、より効果的に固化効果を高めるための培養液の成分などについてはさらなる検討が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年度、2020年度と海外に転出していたため、実験に使用する菌が死んでしまったこと、実験に使用していた機器が故障してしまい、機器の再整備、調整に時間を要してしまったこと。 また、コロナの影響で実験補助をお願いしていた学生の登校が制限され、実験が予定通り行うことが困難であったため。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度より、再び海外転出が決まり、研究の継続が困難となったため、2021年度をもって終了とさせていただいた。
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Causes of Carryover |
2022年度から再び海外転出となり、研究の継続が困難となったため、2021年度で中止となったため。
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