2018 Fiscal Year Research-status Report
航空レーザー測深とデータ同化手法を用いた河道内植生消長予測の高精度化
Project/Area Number |
18K04370
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
吉田 圭介 岡山大学, 環境生命科学研究科, 准教授 (50436721)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | ALB / 植生消長 / 河床変動 / 物理環境評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では旭川下流河道を対象に,(i) 航空レーザー測深(ALB)の3次元点群データから,植生条件(植生種,植生高,密生度)および地形条件(水陸連続の河道,河床粒度)を抽出する方法を開発し,また,(ii) データ同化法を活用して,河道の力学に整合する形で実洪水の流量ハイドログラフを精度良く算出する方法を開発することを最終目標としている.
具体的な研究課題として以下を検討する.(課題1):ALBデータを用いて,砂州上の植生種,植生高および植生の密生度といった植生特性量の平面分布を推定する方法を開発し,現地観測結果から精度を確認する.(課題2):ALBデータを用いて,河道の広い範囲における水陸連続の河床地形データおよび河床表面粒度を抽出する方法を開発し,現地観測結果から精度を確認する.(課題3):洪水時の多点自記水位記録と,上記の植生パラメータ調整済みの水理解析モデルを併用し,データ同化法から洪水流量ハイドログラフを合理的に推定して,場を同定する.(課題4):洪水前後の植生流出・倒伏や,砂州周辺の微地形の変化を解析する.また,平水時の植生の砂州への侵入・拡大を推定する.これらを現地観測結果から検証する.
そのために,当該年度は,下記の基礎的な調査研究を実施した.(1)2017年度に得られたALBデータの精査, (2)現地の土地利用状況,植生状況(植生高,密生度)の調査, (3)2017年度の洪水時の河床変動とALBデータによる検証, (4)2017年度に得られたALBデータを活用した生物生息場の調査
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度実施した研究の成果として,以下が挙げられる.
(1)2017年度に得られたALBデータの精査を行い,定期横断データなどと比較して,測量の精度を検証した.(2)現地の土地利用状況,植生状況(植生高,密生度)の調査を行った結果,現地の地被区分や植生高が概ね妥当に得られており,また,樹木密生度の相関式を検証することができた.(3)2017年度の洪水で生じた河床変動を数値解析した結果,初期の地形にALBデータを用いることで河床変動の再現精度が向上することが分かった.(4)2017年度に得られたALBデータを活かし,流況解析より平水時の浅水場の水深や流速の面的分布を得た.現地計測による水理量の検証の後,解析結果を基に例えば魚類の産卵場環境評価を面的に行えるようにした.
|
Strategy for Future Research Activity |
・2018年度の洪水後の現地調査を行い,洪水前後のALBデータと比較する. ・2018年度の洪水流の解析を行い,流況の再現精度を検証する. またデータ同化手法から流量ハイドログラフを得て,例えば,解析区間の上流側で得られる流出解析結果と比較する. ・2018年度の洪水時の河床変動解析を行い,ALBデータと比較して河床変動量を精査する.
|
Causes of Carryover |
現地計測や数値解析に関わる物品を購入するため
|
Research Products
(4 results)