2020 Fiscal Year Annual Research Report
Consideration of island formation mechanisms in atoll islands
Project/Area Number |
18K04373
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
佐藤 大作 摂南大学, 理工学部, 准教授 (10624017)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 環礁州島 / フナフチ環礁 / 畳み込みニューラルネットワークモデル / 波浪推算 / 漂砂 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は州島形成の要因解明に資する知見を継続的に収集する手法として,沿岸域における砂およびサンゴ礫の有無を空中写真から分類する畳み込みニューラルネットワークモデル(CNN)の高度化を進めた.礫域の分類精度の高精度化を目指し,学習に用いる画像をより分類対象となる空中写真に近づけるため,ガウシアンフィルタの適用可能性について検討を行った.ガウシアンフィルタの平滑化係数を10種類変化させて学習用画像を作成し学習を行った.テスト精度については平滑化係数が大きくなるほどテスト精度は低下する傾向にあり,ガウシアンフィルタの強度が高くなることにより学習用画像内の特徴量が低下しすぎたものと予想された.学習精度およびテスト精度が最も高い結果となったケースは平滑化係数0.4の条件で,学習精度1.00,テスト精度0.95となり学習の精度向上が実現できた. 継続的な沿岸域の堆積物モニタリング手法の開発に加え,波による外力条件による砂質堆積物の移動と堆積過程について数値計算結果から検討を行った.ツバル国フナフチ環礁を対象に,リーフ上に波の作用によって砂質堆積物が現状形成している州島が存在しない条件でリーフ上に堆積するか否かに着目し,各月の平均的な波浪条件下において,仮想粒子が集積する箇所の特定を行った.これより,環礁東部のフォンガファレ島が現存するリーフ上で仮想粒子が集積する箇所があることが分かった.本研究の成果から,州島形成と維持に平均的な外力条件が寄与していることが示されることになり,日常的に砂の移動が生じ地形が変化するものと考えられた.こうした変化を継続的に把握する方法として,本研究で開発した堆積物分類モデルが有効利用できると考える.
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