2020 Fiscal Year Research-status Report
無線系移動体を用いたリアルタイム可視化による避難訓練ダイナミクスに関する研究
Project/Area Number |
18K04388
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
鈴木 康之 静岡大学, 工学部, 教授 (40402664)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森山 聡之 福岡工業大学, 社会環境学部, 教授 (50136537)
杉本 等 事業創造大学院大学, 事業創造研究科, 教授 (60267028)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 防災計画 / 水害津波 / シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
1)「携帯端末の高度情報取得」を司るシステムの検討:高度測定の要素技術としてRTK測位に着目し、この手法を援用しシステム化を行い評価することを目指した。具体的には、研究代表者の所属する機関に過年度設置され観測データが無償公開されたRTK基準局との間で、当該サーバに新たに本研究の経費で電波の送信設備を設け(管理者から内諾取得済み)無線通信を行いながら補正情報をスマホに取り組む方法の、高効率化を含む必要な計測を行う。対象地域が広範なため、加えて小セル方式のWiFiは実用性に乏しいため、WiFi以外に電波法上取り扱いの支障が少ない「デジタル簡易無線(H30年度までに措置済み、フィージビリティの確認済み)」「LoRaWAN等のデジタル系特定小電力無線(R1年度措置済み)」を利用し、従前のアナログ無線方式に対する優位性を検討した。 これとは別に、携帯端末の中にすでに実装されているジャイロや気圧計などのセンサーを高さ計測誤差補正への支援の可能性を探った。 2)端末とサーバ間インターフェースを司る基本構成の検討:端末の取得データを各種データベースと紐づくサーバに集積するソフトを設計し実装した。送受の切り替えタイミングや周波数相互間干渉の有無について、パラメータを大きく振った網羅的な試験研究と最適化検討を引き続き行っている。 3)単体での運用によるフィージビリティの確認:今後、優先順位づけの基本となる「勝率データ」の蓄積の有効性について検討が完了し「勝率に基づく危険予知マップ」の作成に進んでいる。 4)その他:測位航法学会・日本災害情報学会・地理情報システム学会等において情報交換を行う。また最終年度には国際学会で発表を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
システム構築はほぼ順調に進展し、従前課題に関する遅延を取り戻したが、予定していた端末の複数台数の同時運用に関しては新型コロナウイルス感染防止のため密集した大規模な試験を行えず(小規模のものは実施したが、本来想定される規模のものは)ペンディング中である。また、R2年4月に国際学会において研究成果を発表し世界の研究者から意見を聞いたうえでまとめに入る予定だったが災害リスク関係の国際学会が延会となったこと(その前にまだ十分なデータが取れていないこともあり)未達である。
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Strategy for Future Research Activity |
端末の複数台数の同時運用に関しては3密状態での実験実施は当分の間困難であることから、実施方法を再検討している。また、RTK法によらず携帯端末自体に搭載されているジャイロや気圧計などの援用による測定精度の向上に対する改善活動を先に実施し、疫病によるフィールド実証ができない期間の研究に充てる。
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Causes of Carryover |
【理由】疫病蔓延による緊急事態に伴い、R2年度に予定されていた①欧州で開催で参加予定をしていた「安全リスク」関係国際学会が延会に、②住民を動員してアプリケーションや無線系の「密集状況」による評価が困難(のため、当該学会で発表するに足るデータが取れていない)、となったため。 【使用計画】①次年度後半の国際学会に参加、②RTK法以外の端末内蔵センサーを使って精度向上のための試験を加え、「密状態」におけるシステムの評価を緊急事態解除後に実施するための経費を使用予定である。
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