2019 Fiscal Year Research-status Report
エスカレーター内の歩行特性と安全性・快適性に関する基礎研究
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18K04394
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Research Institution | Iwate Prefectural University |
Principal Investigator |
元田 良孝 岩手県立大学, 公私立大学の部局等, 名誉教授 (60305331)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇佐美 誠史 岩手県立大学, 総合政策学部, 准教授 (00404830)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | エスカレーター / 歩行 / 安全性・快適性 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は東京メトロの地下鉄駅でエスカレーター交通の観測を行い、Webによるアンケート調査を実施した。2019年11月11日、12日に、東京メトロ日比谷線霞ヶ関駅、千代田線・丸ノ内線国会議事堂前駅、南北線・丸ノ内線後楽園駅、丸ノ内線赤坂見附駅で、朝夕の混雑時と昼間の閑散時に計9基のエスカレーターの交通流動を各30分程度ずつビデオカメラで収録した。得られたデータを元にエスカレーターの停止利用・歩行利用別の交通量をカウントしてエスカレーター内を歩行する者の率について測定した。利用者数は全部で12,000人余りであった。エスカレーターの条件(上り・下り、高低差、交通量)と利用者属性による歩行選択の要因について分析を行った。1 都3 県(東京都・千葉県・埼玉県・神奈川県)に居住し、日常的に鉄道駅のエスカレーターを利用する人を対象にWeb での意識調査を行った。そこで本調査の対象者を抽出するための予備調査として回収数5,000 件のスクリーニングを行った。スクリーニングを通じて571の回答者が選択され、エスカレーターの歩行に関して質問を行い、回答が得られた。 2018年度の調査をもとに6月に行われた第59回土木計画学研究発表会で「1人乗りエスカレーター輸送の基本特性に関する研究」を発表し、9月に行われた第74回土木学会年次学術講演会で「エスカレーター内のキャリーバック運搬方法に関する調査」を発表した。この他5月17日には株式会社ライトレール主催の交通ビジネス塾において「エスカレーター輸送の基本特性」と題する講演を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね順調に進捗したが、2019年度に観測の対象を変えて2回目の鉄道駅におけるエスカレーター観測を3月に予定していた。しかし予期せぬ新型コロナウイルス感染の影響で交通量が激変し、実施を見送らざるをえない状況になった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は2019年度にできなかった観測を実施すること、収録したデータの更なる分析を行うこととし、シンポジウム等成果の発表、報告書の作成を予定している。シンポジウムでは学術関係者の他鉄道関係者やエスカレーター製造者などにも参加していただき、成果の公表を考えている。学術的な報告書の他に出版社からの依頼があり一般書に近いエスカレーターに関する著書も出版を予定している。 ただ本年4月に緊急事態宣言が発令され、外出自粛の中で交通流動が大きく変化しており、5月末に緊急事態宣言の解除があったが、いつ交通状態が平常化するかは見通しが困難で、2020年度内に観測が再開できるかどうかは現在のところ不明である。シンポジウムもコロナ感染状況が長引けば人を集めることが困難になり、Webによるシンポジウムに変える可能性も残されている。2020年度は本研究の最終年度ではあるが、上記不確定要素があり研究が部分的に完成しない可能性も残されている。その場合は次年度以降に他の研究費を探して完成させたいと思っている。
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Research Products
(7 results)