2018 Fiscal Year Research-status Report
Estimating displacement rate of reinforced slope using ALOS-2/PALSAR-2 time series data
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18K04398
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
朝香 智仁 日本大学, 生産工学部, 講師 (60514164)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野中 崇志 日本大学, 生産工学部, 准教授 (20556336)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | InSAR / 電子基準点 / グリーン関数スプライン |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度は、本研究の初年度として長大法面を対象とした現地調査地点の選定と調査、ならびに北向軌道および南向軌道のALOS-2/PALSAR-2データセットのインターフェロメトリー解析を行った。現地調査では、千葉県南部を現地調査地点に絞り込み、千葉県に対する本研究の協力要請に関する打ち合わせを行った後、現地踏査ならびに現地調査地点とした長大法面を管轄する道路管理機関との調整を経て、全10箇所の長大法面の現地調査を完了させた。 現地調査では、全10箇所の現地調査地点において、三次元レーザースキャナを利用した三次元計測、ネットワーク型RTK-GPS測量による地理座標の観測、およびトータルステーションによる長大法面の実測を行い、現況を把握した。今年度の現地調査結果は、次回以降の調査結果の初期値となる重要なデータとなる。ALOS-2/PALSAR-2データセットのインターフェロメトリー解析では、千葉県南部を観測した北向軌道および南向軌道の10シーンずつから観測日が近いデータ同士の干渉ペアを選定し、衛星視線方向における地盤変動量を解析した。また、同時に干渉ペアと同時期に観測された国土地理院から提供を受けた電子基準点のデータをグリーン関数スプラインによ空間内挿し、地殻変動量について解析をした。電子基準点は高密度には配置されていないため、空 間内挿した地殻変動量は必ずしも正確とは限らないが、ALOS-2/PALSAR-2から把握した地盤変動量と比較することで、法面の変位量を推定するために必要な干渉ペアの条件について分析することができた。今年度の解析は、今後の画像解析における重要な知見となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究対象地域として予め千葉県南部を選定していたが、現地調査地点となる長大法面を絞り込み、5月7日に千葉県庁にて本研究の協力要請に関する打ち合わせを行ったところ、現地調査地点を管轄する道路管理機関との調整が必要となった。結果として、7月4日、8月1日、9月6日に行った現地踏査ならびに現地調査地点を管轄する道路管理機関との調整を行ったため、現地調査を行う日程が当初計画より遅れた。よって、今年度の進捗状況が遅れた原因は道路管理機関との調整に時間を要したことにあるが、これは研究を遂行するために必要不可欠な期間であった。2019年度以降は、同一の現地調査地点を継続して調査するため、道路管理機関との調整については時間が短縮できる見込みである。なお、2018度は10月10日、10月16日および10月17日に順次現地調査を行い、全10箇所の長大法面の動態調査が完了した。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は、2018年度に実施した10地点の現地調査地点の継続調査を実施し、長大法面全体の前回の調査からの変動量を把握する予定である。また、北向軌道および南向軌道のALOS-2/PALSAR-2データ数を増やし、データセットが20シーン程度になればSmall BAseline Subset algorithm(SBAS)法による地盤変動量の評価を試みる。なお、2018年度の研究成果から、ALOS-2/PALSAR-2のデータは電離層の影響等をかなり受けており、インターフェロメトリー解析に使用できるデータには制限があることがわかったため、少ないシーン数からでもSBAS法によって地盤変動量が推定するできるかを検討する予定である。さらに、少ないシーン数から地盤変動量が推定するにあたっては、現地調査結果または国土地理院が提供する電子基準点のデータを併用することで推定精度の向上を図る手法も考案する予定である。
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Causes of Carryover |
ALOS-2/PALSAR-2の観測は継続されているが、研究に必要な観測モードで観測されたアーカイブデータがなかったため、2018年度はALOS-2/PALSAR-2データ購入費について使用計画と実支出額との差が生じた。2019年度は、2018年度後半に観測されたアーカイブデータ等を購入するため、前年度分の助成金と合わせて使用する予定である。
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Remarks |
IEEE International Geoscience and Remote Sensing Symposium 2019 (国際会議)へ論文投稿し、2019年7月29日に発表することが決定した(Tomohito Asaka, et al.: Evaluation of reinforeced slope dynamics using ALOS-2/PALSAR-2)。
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