2019 Fiscal Year Research-status Report
Effects of intermittent contact oxidation on microbial population in in-sewer purification
Project/Area Number |
18K04405
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 弘泰 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 准教授 (90251347)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 間欠接触酸化法 / 管路内下水浄化 / 干出ストレス / 微生物叢 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は以下の二つの検討を実施した。1)過負荷条件下における油脂等の分解挙動、2)汚泥の減容効果の把握。 1)は、オレイン酸およびペプトンを主体とする人工下水を、スポンジを敷いた水路に64日間通水した。その結果、およそ30日程度でスポンジ表面の目詰まりが始まり、54日間でスポンジ表面前面がバイオフィルムにより覆われるようになった。供給された有機物の分解性能は、水路内ヘッドスペースガス中の酸素の減少により把握した。その結果、目詰まりするまでは酸化分解能力は供給される負荷量に応じて増加し、一方、目詰まり以降は酸化分解能力は負荷量にはあまり依存せずスポンジに蓄積されている有機物量に依存することがわかった。また、目詰まりする前の最大の酸化分解能力はスポンジ面積1㎡あたり30g/日程度だったのに対し、目詰まり以降は20g/日程度となった(温度20℃)であり、目詰まり以降も一定の酸化分解能力を維持した。 2)については、これまでの経験より間欠接触酸化法では汚泥の発生量が比較的小さいとの知見を得ており、それを汚泥減量に活用するための検討を実施した。実下水処理場の余剰汚泥を基質とし1日数回程度間欠接触酸化水路に循環させ、ヘッドスペースガス中の酸素の減少量および循環水槽内の汚泥の減少量を測定した。酸化消費量はスポンジ面積1㎡あたり10g/日程度であり、また、その値は循環頻度にはほとんど依存せず、1日1回程度の循環で十分との結果だった。また処理後、汚泥の沈降性指標(SVI)は減少する傾向だった。返送汚泥中の微生物相がスポンジ上の微生物相と置き換わっていく様子を観察しようとしたが、両者の微生物相はもともと違いが小さく変化を見出すことはできなかった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は装置の性能評価については順調に進めることができた。微生物叢の解析については本年度はポリメラーゼ連鎖反応で増幅した16sリボソーマルRNA遺伝子の部分塩基配列を制限酵素処理し、その多型にもとづいて評価した。最終年度は次世代シークエンサーを用いての解析を導入し、さらに詳しく検討する。
|
Strategy for Future Research Activity |
2020年度はこれまでに引き続き間欠接触酸化法の実験装置の運転を継続し、装置の性能に与える因子について検討するとともに、微生物分析用試料の採取を継続する。下水処理を実施した際の汚泥の発生量についての、正確に評価することを目指す。また、長時間の干出が微生物に与える影響を次世代シーケンサーを用いて検討する。
|