2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of determination and prediction method of long-range transport event of atmospheric aerosol particles using machine learning algorithm
Project/Area Number |
18K04407
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
小林 拓 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (20313786)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 越境輸送微粒子 / 偏光光散乱式粒子計測器 / ディープラーニング / 鉱物粒子 / 大気汚染粒子 / 観測ネットワーク / 畳み込みニューラルネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,偏光光散乱式粒子数計測器(以下偏光OPC)の観測ネットワークで得られたデータから,機械学習アルゴリズムにより越境輸送微粒子のイベントの判定および予測することを目的にしている.本年度は,下記の項目を実施した.1)自由対流圏における観測拠点の一つとして富士山御殿場口5合目太郎坊に偏光OPCを設置し,連続観測を開始した.2)偏光OPC観測ネットワークのデータからディープラーニングにより越境輸送微粒子のイベントの判定および予測する方法を検討した,2020年の年明けから新型コロナウィルス感染症が拡大し始め,太郎坊への偏光OPCの設置が7月にずれ込んでしまった.また,2019年度に機器が故障した大阪府東大阪市の近畿大学に設置した偏光OPCの復旧作業を実施する予定であったが,出張ができず本年度は欠測となった.日本列島の風上にあたり,越境輸送される粒子の予測に非常に重要な観測地点である韓国ソウル市のソウル国立大学の偏光OPCも2020年の夏頃に不調になり,出張ができず欠測となった.今年度は新たなデータの取得が限られたため,過去に得られたデータセットを使用し,畳み込みニューラルネットワークを用いて,越境輸送イベントを判定するためのモデルを開発した.現在の観測データをもとに越境輸送イベントを判定できることは確認できた.しかし,将来の予測に関しては引き続き検討が必要である. 本研究により,越境輸送微粒子のイベントを判定および予測するために偏光OPCによるネットワークの新たな観測地点を構築した.また,組成別濃度推定手法の改良を行い,鉱物粒子と人為起源の二次生成粒子に多く含まれる潮解性粒子の粒径および質量濃度の推定精度が大幅に向上した.ディープラーニングを活用し,越境輸送イベントを判定できるモデルを構築した.予測に関しては今後引き続きモデルの検討を実施する予定である.
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Remarks |
東アジア各地に設置した偏光OPCの観測データをリアルタイムに収集し,データ処理,グラフ化するシステムである.
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Research Products
(2 results)