2019 Fiscal Year Research-status Report
Development of next generation single cell analysis ttechnology for monitoring the live bacterial cells in environment microorganisms.
Project/Area Number |
18K04414
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Research Institution | Anan National College of Technology |
Principal Investigator |
川上 周司 阿南工業高等専門学校, 創造技術工学科, 講師 (00610461)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | アプタマー / SELEX / 環境微生物 / 未培養微生物 |
Outline of Annual Research Achievements |
未培養の細菌に対しても適用可能なSELEX法の開発に向けてSELEX法の諸条件の検討を行なった。本年度は特に中でも1) 短いDNA断片の適切なPCR条件の検討と2) 希釈された微生物細胞の最適なDNA抽出条件の検討について行なった。1) に関しては、既存のSELEX法のプロトコルを参考に実験条件の検討を始めたが、PCR増幅が十分に反応せず、充分量のPCR産物が確保できなかった。アプタマーは、プライマーが結合する領域とランダム配列領域の約80塩基ほどの短いDNA断片であり、通常のPCRの条件では反応が起こりにくいと考えた。そこでPCRの反応温度、プライマー濃度やMg濃度などの諸条件を検討したところ、プライマーの濃度が最も重要であり、濃度を既報の2倍に上昇させるとPCR産物の収量が大幅に増加することがわかった。また電気泳動に関しても、短い断片のPCRを増幅を確認するのが難しかったが、分離性能高いゲルを使うことでこの問題を回避できた。2) に関して、新規SELEX法では、細菌とアプタマーが結合した状態で如何に少量の状態まで希釈できるかが重要になってくる。そこでどのDNA抽出キットを用いて、どのくらいの希釈サンプルでDNAが抽出可能か検討した。市販されているDNA抽出キットの中から特に少量の細胞を対象としているものをいくつか選び、10の5乗cellから10の0乗cellまでの希釈サンプルを作成し、DNA抽出後、V4領域のプライマーペアでPCRを行い、抽出限界を模索した。結果、Macherey-Nagel社のNucleoSpinTissueを用いることで10の2乗cellのサンプルでもDNAが抽出可能であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新規SELEX法の開発に向けて諸条件の検討が終わり、標的微生物に対してSELEX法を適用できる段階にきた。これら検討はこれまでも行なってきたが、PCR増幅の断片長が短いことにより電気泳動で確認することが難しかった。この問題に対しては、実験のノウハウを蓄積し、一つ一つの課題をクリアする段階にまで押し上げることができた。次年度の詳細な検討に向けての条件検討が予定通り実行された。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は純粋菌株を複数種用いて、その混合比を変えることで存在率を変え、どの程度の存在率であれば検出可能であるか検討していきたい。また得られたアプタマーの配列を次世代シーケンサーによって明らかにするためのプライマーの設計も行う。また得られたアプタマーの親和性を確認し、解離定数からアプタマーの実用性を評価する予定である。
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