2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of next generation single cell analysis ttechnology for monitoring the live bacterial cells in environment microorganisms.
Project/Area Number |
18K04414
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Research Institution | Anan National College of Technology |
Principal Investigator |
川上 周司 阿南工業高等専門学校, 創造技術工学科, 准教授 (00610461)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 環境微生物 / シングルセル解析 / 遺伝子工学的手法 |
Outline of Annual Research Achievements |
微生物を用いたバイオテクノロジーは、今日の我々の生活の中で欠かすことのできない技術である。また、近年ではバイオマスの有効利用に必要不可欠なセルロース分解酵素や環境衛生の保全に有用なウィルス吸着タンパク質などの微生物由来の有用遺伝子が環境中から見つかっており、環境中にはまだ多くの未利用遺伝子資源が多数存在すると思われる。さらに地球規模の物質循環の多くは微生物活動が深く関わっており、特に地殻や深海などの極限環境下では未だその詳細な循環機構は分かっていない。微生物の生態を調べる方法としてもっとも有効な方法は、標的の微生物を分離培養することである。単一の微生物種にすることで、栄養要求性や倍加時間などの詳細な生態を調べることができる。しかしながら、これまでの研究から人工的に培養可能な微生物は全体の1%にも満たないという報告があり、分離培養法にも限界があることが広く知られている。このような現状において、我々は培養法に依存しない分子生物学的手法を用いた微生物解析方法を利用している。現在では、これまで利用されてきたrRNAアプローチにとどまらずメタゲノム解析やプロテオーム解析、シングルセル解析などが用いられ、微生物が分離培養できなくても、その生態が把握できるようになりつつある。さらに微生物細胞を遺伝子の運び屋として捉え、細胞のまま解析を行うシングルセル解析は、培養を伴わない解析手法として近年注目を集めている。しかし、現行のシングルセル解析では、FISH法など微生物を死滅させた状態で解析を行うことから、環境中のある一部分を切り取った解析でしかないという課題がある。本研究ではシングルセル解析のさらなる発展を目指し、アプタマーを用いることで微生物を生菌状態かつ連続的にモニタリングできる新規解析技術の開発を試みた
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルスの感染拡大により、在宅勤務を余儀なくされ、実験の大幅な遅れがみられた。この点については、翌年度への予算の繰越により対応している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は昨年度実施できなかった本手法の実用可能性の検討について重点的に研究を進めていきたい。具体的には、純粋菌株を環境サンプルに人為的に入れ込んだ系での検討と、環境サンプルから任意の微生物を標的として検出する系について検討していきたい。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの感染拡大により予定していた出張や謝金の支払いができず研究計画に遅れが生じた。 そのため次年度に予算を繰越すことで対応した。
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