2018 Fiscal Year Research-status Report
開水路中に設置された構造物に作用する定常流による抗力及び揚圧力の数値流体解析
Project/Area Number |
18K04426
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小山 毅 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (50572608)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 数値流体解析 / 津波 / 開水路 / 抗力 / フルード数 / 閉塞率 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は数値流体解析手法を用いて,準定常状態に達した津波および河川堤防の決壊・越流によって生じた氾濫流が構造物に及ぼす抗力及び揚圧力を評価し,その支配的なパラメーターを明らかにした上で,簡易な評価手法を確立することである.
本年度は,開水路中に設置された構造物に作用する力の数値流体解析結果を検証するために必要な既往実験を扱う論文の整理を行った.また数値解析結果を理解するため,角柱に作用する抗力に及ぼすフルード数及び閉塞率の影響に関する水理学的考察を行った.一層流と異り,気液二層流ではChoking現象が生じ,水理学的考察では閉塞率やフルード数によってこのChoking現象が抗力係数に与える影響をモデル化し,既往実験で見られる傾向を概ね捉えることができた.次年度以降行う開水路の解析では本モデルの有用性の検討を行う.
また,OpenFOAMを用いた数値流体解析の精度確認のベンチマークとして,海岸工学の分野で行われた開水路実験の再現解析を行った.「水理模型実験による防潮壁に作用する孤立波の波圧特性に関する検討」および「開口部と開放部を有する中低層建築物の津波水槽実験」の論文に掲載されている水理実験の解析を通して,孤立波および陸上遡上波が構造物に及ぼす水平力を予測するために必要な知見が得られた.陸上遡上津波の伝搬速度および作用水平力の再現には,乱流モデルなどを用いた遡上波先端部のエネルギー減衰などの適切なモデリングが重要であることが明らかにされた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
プロトタイピング用の2-CPU高性能パソコンでの数値計算,大規模大自由度計算用の東京大学 OakforestPACS スーパーコンピュータでの数値計算,Navier-Stokes方程式を浸水深方向に積分した浅水方程式を用いた2次元平面数値流体解析手法のOpenFOAMへの実装など,開水路の数値流体解析のケーススタディを行う研究環境が整備されたため.
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Strategy for Future Research Activity |
開水路中の自由表面流れにさらされた角柱の3次元数値流体解析およびNavier-Stokes方程式を浸水深方向に積分した浅水方程式を用いた2次元平面数値流体解析による構造物の抗力・揚圧力のケーススタディを行い,フルード数,閉塞率,受圧面アスペクト比等の影響を評価する.
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