2018 Fiscal Year Research-status Report
養生温度がフライアッシュを混合したコンクリートの強度発現に及ぼす影響
Project/Area Number |
18K04437
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
小山田 英弘 北九州市立大学, 国際環境工学部, 教授 (80233625)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高巣 幸二 北九州市立大学, 国際環境工学部, 教授 (60336948)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | フライアッシュ / 混合割合 / 内部温度分布 / 暑中コンクリート / 温度応力 |
Outline of Annual Research Achievements |
実大柱を模擬した試験体を用いて,暑中期の対策としてフライアッシュをコンクリートに混合することの有効性を把握するため,普通ポルトランドセメント単味のコンクリートとフライアッシュを内割調合したコンクリートを比較し,コンクリート温度,強度発現性状に及ぼす影響について実験的に検討する。併せて,セメントの水和に伴う温度分布,並びに温度応力の傾向を明らかにするため,温度応力解析とコンクリート内部のひずみ測定を行った。使用するフライアッシュを3種類,内1種類は混合割合を変え,試験体は1m×1m×1mの立方体とし,cc熱電対を用いて打込み直後から1週間までのコンクリート内部の温度変化を計測した。このとき,埋込み型ひずみゲージを中央部2箇所,端部2箇所に設置し,ひずみの変化を計測した。また,暑中期を比較するために,日平均気温が20℃程度となる時期にも同様の実験を行った。実測した温度変化とコンクリートの諸元を条件とした温度応力解析を行った。以上から以下(1)~(3)の知見を得ている。 (1)フライアッシュを多く使用したコンクリートほど最高温度が低く,最高温度到達までの時間が短く,温度上昇量が低い傾向にあり,フライアッシュを使用したコンクリートは中央部と端部の温度差が小さい。 (2)構造体強度補正値は,普通ポルトランドセメント単味の場合は端部が1.4 N/mm2で中央部が1.2 N/mm2,フライアッシュを内割使用した場合は全て0以下となった。管理用供試体の単味コンクリート28日の強度とフライアッシュ使用の91日強度を比較すると,置換率20%のものは同等の強度であったため,暑中期においては構造体強度補正値の低減が可能である。 (3)温度応力は,最高温度までは中央部は圧縮側,端部は引張側に増加し,それ以降は逆の応力側へと移行する。また,温度応力による影響が圧縮強度に現れていると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は,実験データを蓄積して,研究および評価の信頼性を高めること,つまり解析のための情報量を増やすことが必要である。よって,当初の実験計画において年1回しか実施が難しい実大実験を最低2年,つまり2回は行うこととしている。本年度は,実験方法や設定条件やその他の課題も幾つか確認された。調合や運搬時間といった設定条件は問題無いことが確認されたが,ひずみの実測でややバラツキがみられた。その他にも,想定していなかった傾向が幾つかみられ,これらは次年度に確認する予定である。問題点を解消する方法は検討しており,研究の進捗は概ね順調といえる。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の実験結果・解析結果は,概要及び進捗状況に記したとおり,予定通りのデータ量を得ることが出来ている。 次年度は,信頼性を高めるため同じ実験を繰り返し行い,新たに得られた知見に対する追加実験を行う。 最終年度は,得られた実験データと解析の整合性を高め,信頼性の高い成果を得るための課題抽出と現象の解明を行う。
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