2019 Fiscal Year Research-status Report
実構造物による免制震装置の補修方法の有効性検証、新たな提案及び同定手法の研究
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18K04438
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Research Institution | Tohoku Institute of Technology |
Principal Investigator |
薛 松濤 東北工業大学, 建築学部, 教授 (70236107)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畑中 友 東北工業大学, 建築学部, 助教 (30805239)
ソウ ビョウ 東北工業大学, 建築学部, 講師 (60825496)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ヘルスモニタリング / 制振 / 免震 / 回転マスダンパー |
Outline of Annual Research Achievements |
実構造物を用いて制振装置が有効かどうかを確かめるために、長期間の地震記録の蓄積が重要となり、補修手法の有効性の確認においても重要な資料となる。このような地震記録を蓄積するのは、本研究の一つの目的である。そして現状よりも有効な補修手法を検討し、より高い耐震性能を有する免制震装置を開発・設置することも視野に入れ、新しい補修方法を検討し提案することは、本研究の二つめの目的である。さらに、加速度から変位を抽出して構造物の性能を同定する手法の検討も、構造物のヘルスモニタリングシステムの構築に重要な方法であり、その最適な手法を探すのも本研究の三つめの目的である。 1、2019年度には2回ほどの地震記録が得られ、観測してから9年間の記録を蓄積した。地震記録だけではなく、解析モデルを用いて同定した結果(地震記録とほぼ一致)により、現行の補修手法が有効であることが再度確認した。研究成果を日本建築学会が主催するシンポジウム「建物の健全性モニタリング評価技術の取り組みと今後の課題」で公表した。 2、現在の耐震手法よりも有効な耐震装置を開発するため、セルフバランス式の回転マスダンパーの模型の製作が完成し、振動台でフレーム構造の制振実験に成功した。得られた成果を2019年度の日本建築学会大会で公表した。 3、本研究の対象となる建物の制震装置の配置個所及び個数を変えながら最適な制振効果を得ようとして、動的シミュレーションをし、段階的な成果が得られた。その成果も2019年度の日本建築学会大会で公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在まではおおむね順調に進展している。 理由: 1、地震記録の蓄積及び同定については予定通りであり、再度補修手法の有効性を確認した。 2、さらに有効な制振装置の開発は、振動台実験までうまく運び、予定より進んでいるといえよう。 3、最適な制振装置の配置及び個数の研究は、変形の計算手法(もっとも差の小さいもの)がうまく判定できず、加速度のみとして最適配置の研究を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
1、地震記録の蓄積及び同定関してはこれまで通りに実行する予定であり、極めて重要なデータ蓄積になる。 2、新しい制振装置の開発については、今度、大型構造物に対応するセルフバランスの回転装置を設計し、振動実験を実施する予定である。 3、最適配置及び個数については、変形計算よりも実測可能かどうか、検討する予定である。
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Causes of Carryover |
次年度には、実地震応答データを蓄積のための観測システムに新しい構造物の変形量を観測できるシステムの部品を購入し、組み立てる予定です。そのために次年度使用額が生じました。
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Research Products
(19 results)