2018 Fiscal Year Research-status Report
Seismic Design of PC Beam with Opening
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18K04445
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Research Institution | Shizuoka Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
丸田 誠 静岡理工科大学, 理工学部, 教授 (30416763)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | プレストレストコンクリート / 有孔梁 / 斜め補強筋 / せん断強度 / ひび割れ性状 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、プレストレストコンクリート(PC)梁の設備用貫通孔に、斜め補強筋もしくは既成開孔補強金物を用いた補強法のせん断設計法を新たに提示していくことを目的としている。特に鉄筋コンクリート(RC)梁で用いられている、修正広沢式のような簡易な設計式を修正し提示できるようにする。研究は、実験と弾塑性有限要素解析の両方で進めてゆく。実験できない因子に関しては、解析で数値実験として補っていく。申請時における昨年度の当初計画は、PC有孔梁3体の構造実験を行うことであったが、予算の制約上2体として実験を行った。2体の概要は、斜め補筋強を行ったものと、既成金物+定着筋補強を行った試験体とした。コンクリート強度は一定のFc27,開孔周りの補強筋の強度は、実情を鑑みてSD785とした。実施済の試験体のシミュレーション解析と実験未実施の試験体の解析を2体実施した。1つは、開孔補強筋が無いケースで、もう一つは既成金物のみの補強のケースとした。その結果、斜め補強筋およびに既成金物+定着筋の補強効果が、無補強の試験体に比べ確認できた。 実験でのひび割れ性状には、両試験体間で差異は見られなかった。最大強度に関して試験体間の比較では、斜め補強筋の試験体の方が、既成金物+定着筋補強試験体より、3%高かくなった。その最大強度確認時の変形は、同程度の変形時であった。最大強度に関しては、RC有孔梁用の既往のせん断強度算定式(修正広沢式)にプレストレスの効果による軸力を加えた項を追加した強度式で、今回の試験体は概ね評価できていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
プレストレスを導入した有孔梁2体の実験を実施した。実験因子としては、開孔の補強方法とした。一つは、基本となる斜め補強筋を用いたタイプ、もう一体は、既成金物の補強に定着筋を付けた新タイプとした。詳細なデータ取得のために、鉄筋ゲージを36点(1体)、変位計による計測16点(1体)、ひび割れ計測も実施した。 実験からは、斜め補強筋試験体に比べて、既成金物+定着筋の試験体の最大強度が若干低かったことが分かった。補強筋の効き方も若干異なっていることが分かった。 実験と共に有限要素解析も一部先んじて実施した。解析では開孔補強筋が無い試験体のかを行い、この解析との比較から、それぞれの開孔補強筋の効果が確認できた。解析的検討は、次年度からと考えていたが、実験の試験体数が減ったため行った。2ケースの解析も実施でき、当初の計画より進んだと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度はトータルの開孔補強の鉄筋量が小さい側の試験体の実験を2体行っており、今年度は開孔補強量が昨年度の倍となるような補強量の多い試験体の実験を2体行う予定である。2体の試験体は、斜め筋による補強の試験体と既成金物+定着筋の試験体とする。コンクリート強度をFc36とFc24と変化させ、両者の比較も行う。トータルの試験体数が4体となり、そのシミュレーション解析を通して解析の有効性を深く検証する。そのため材料定数等のキャリブレーションを含めたモデルを調整した解析をまず行う。その上で、実験未実施因子の解析を行う。実験は今年度の前半に実施し、結果をまとめてゆく。後半は、実験のシミュレーションを中心に解析を行ってゆく。実験未実施因子の確定は実験結果を鑑みながら決定し、そのうち2ケース程度を今年度は実施する予定とする。
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