2018 Fiscal Year Research-status Report
自然風の非定常性により生じる自然換気性状の定量的評価に関する研究
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18K04455
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
赤林 伸一 新潟大学, 自然科学系, 教授 (70192458)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 自然換気 / 非定常気流性状 / 通風 / LES / 換気回路網計算 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は、平均風圧による換気量に対して瞬時の風圧による換気量の算出を行うことで、風圧変動による自然換気量を定量的に評価を行った。Large-Eddy Simulation(LES)を用いて単独及び複数建物モデル及び直方体建物モデルを4×4棟整列配置した市街地モデルを対象とした解析を行い、算出された壁面の時系列圧力データから風圧係数を算出した。算出された風圧係数を基に換気回路網計算で、風圧変動による自然換気量の算出を行った。以下の知見が明らかとなった。 建物単体及び2棟では、換気回数の平均は風向に対して垂直な壁面に開口を設けた場合は0.25[回/h]、風向に対して平行な壁面に開口を設けた場合は0.09[回/h] と0.4倍程度となる。風向に対し垂直な壁面に開口を設けた場合、風圧変動を考慮しても換気量の差は生じない。風向に対し平行な壁面に開口を設けた場合、換気量の積算値の平均は平均圧力差から算出した換気量に比較して約1.8倍~4.5倍となる。 市街地モデル(整列配置)では、換気回数の平均は風向に対して垂直な壁面に開口を設けた場合は0.010[回/h]、風向に対して平行な壁面に開口を設けた場合は0.009[回/h] であり、大きな差はない。風向に対して垂直な壁面に開口を設けた場合、風圧変動を考慮した換気量と平均圧力差より算出した換気量の変化は相対的に小さい。風向に対して平行な壁面に開口を設けた場合、風圧変動を考慮した換気量は平均圧力差より算出した換気量に比較して、約1.2~ 1.7倍程度増加する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成30年度に予定していた研究計画を概ね予定通り実行できたため。具体的には、気流の時間的変動の定量的予測が可能なLES解析により風圧変動を考慮した外壁表面の圧力分布の算出を行った。LESにより得られた解析結果を用いて、換気回路網計算により風圧変動による換気量の定量的評価を行った。次年度以降はこれに基づき、研究の推進を行う。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度以降では、換気回路網計算において換気口の位置や数などを変化させた場合の風圧変動による換気量の算出を行う。更に、建物内にボイドを設けた場合を対象として風圧変動と温度差を考慮した検討を行う。また、熱負荷計算により変動を考慮した場合の換気量による冷房負荷削減効果を算出し、風圧変動を考慮した換気の定量的効果の評価を行う予定である。
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Causes of Carryover |
現在所有している解析サーバコンピュータでは、時間変動を考慮した数値流体解析を行うためには、数週間から数か月単位の時間を要するため、次年度使用額と次年度の交付額と合算して高性能な解析サーバコンピュータの購入を計画している。次年度使用額は主に物品費として使用する予定である。
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Research Products
(5 results)