2021 Fiscal Year Annual Research Report
Study on quantitative evaluation of natural ventilation properties caused by unsteady natural wind
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18K04455
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
赤林 伸一 新潟大学, 自然科学系, フェロー (70192458)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 自然換気 / 温度差換気 / 風速変動 / LES解析 / 換気回路網計算 / 風速変動を考慮した換気量 / 非定常換気 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は前年度までに行ったLarge-eddy simulation(LES解析)による時系列壁面風圧を使用し、室内外温度差を考慮した換気回路網計算を行った。風力による各開口部の圧力差と温度差による圧力差が同時に作用した場合の自然換気量の算出を行い、換気性状の検討を行った。室内外温度差は室温25℃・外気温15℃(中間期)、室温27℃・外気温35℃(夏季)、室温20℃・外気温0℃(冬季)の3パターンとした。換気回路網計算を用いてLES解析で得られた各階各開口面及び屋上開口部の風圧係数と室内外温度差を設定し、換気量の計算を行った。また風圧係数には瞬時風圧係数と時間平均風圧係数を用いて、両者の換気量を比較することで風圧変動による換気量の検討を行った。 今年度の研究により以下の知見が得られた。室内外温度差及び外部風によって生じる圧力差の方向が逆向きの場合、風速変動を考慮した換気量の検討が必要であると考えられる。周囲に同程度高さの建物がある場合、外部風によって壁面で生じる圧力が小さくなるため、室内外温度差による圧力差の影響が相対的に大きくなる。室内外温度差を考慮した場合、平均圧力差から算出した換気量に対する変動を考慮した換気量の増加率は、外部風による平均圧力差と室内外温度差による圧力差が同程度で逆向きに生じた場合に極めて大きくなる傾向がある。 研究期間全体の成果としては、時間平均換気量と瞬時的な風速変動によって生じる換気量の比較を行い、両者の差について、様々な開口条件、建物条件、周囲条件、温度条件を対象に検討を行った。シャフトを有した高層建物における自然換気の評価・設計に関する新たな知見が得られたと考えられる。
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Research Products
(3 results)