2018 Fiscal Year Research-status Report
Prediction for long term degradation process of timber structures due to environmental conditions
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18K04461
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Research Institution | Ashikaga University |
Principal Investigator |
齋藤 宏昭 足利大学, 工学部, 教授 (20597827)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 拓郎 広島大学, 工学研究科, 准教授 (00335225)
堀澤 栄 高知工科大学, 環境理工学群, 教授 (20368856)
中嶋 麻起子 神戸大学, 工学研究科, 助教 (40773221)
小椋 大輔 京都大学, 工学研究科, 教授 (60283868)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 木材 / 劣化 / 耐久性 / 水分 / 予測モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、建物の環境条件から木部の腐朽による劣化を予測するモデル開発を目指すものであり、柱脚材などの構造躯体への適用を狙い、木目による異方性の影響が生じる試料に対し腐朽進行のデータを収集し、予測モデルの改良を行う。 今年度は、その前段として木材の厚さ方向への腐朽進行を再現した実験に着手し、高い分解能で3次元的なデータが得られるX線CT画像による含水率及び質量減少率の非破壊測定手法の検討を行った。試料内部の含水率及び質量減少率分布は、試料全体の実測密度とX線CT画像によるGrayscaleの平均値から係数を求め推定した。得られた知見としては、板目方向の撮影では画像のスキャンインターバルを細かくする必要のあることがわかった。 次に、材内部における腐朽菌の代謝による影響をモデル化するため、炭酸ガスに対する木材の拡散係数を測定した。柾目と木口方向ではガス透過性に数十倍の差があり、含水率による影響も大きいことを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初計画していなかったX線CT画像による非破壊測定を導入したため、初年度はCT画像からの腐朽度算出のための予備検討を行ったことにより遅れが生じた。また、試料寸法がこれまで行ってきた実験に比べ大きいため、従来の接種方法では腐朽菌の活性が上がらず、腐朽の進行が当初の予定に比べ遅れたことも影響した。なお、モデルパラメータの実験準備等は進んでおり、解析モデルの開発は順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
断面積が100cm2程度の芯持ち材について腐朽進行のデータを収集する。CT画像分析方法の検討は、昨年度の結果も利用して継続する。また、ガス濃度予測モデルのパラメータを収集するため、木材分解による菌の代謝量を測定する。最終年度には、これらのパラメータを用いた熱水分・ガス拡散及び木材分解に関するモデルを開発し、芯持ち材に対する実験結果との比較・検証を行う。
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Causes of Carryover |
X線CTの導入と腐朽試験の進捗が遅れたことにより、当初計画していた研究分担者が行う関連実験を実施できず差額が生じた。進捗後、速やかに計測を実施する予定のため、翌年度助成金とあわせ繰越金を使用する予定である。
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Research Products
(1 results)