2018 Fiscal Year Research-status Report
Economic evaluation of risk of investment in energy conservation of building
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18K04462
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Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
富樫 英介 工学院大学, 建築学部(公私立大学の部局等), 准教授 (00547078)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 不確実性 / 建物運用 / 金融工学 / エミュレータ / 熱負荷 / 確率 / エネルギー / 省エネ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の最終目標は、建築の省エネルギー化投資の価値を一般金融商品と比較可能な形で表現することで、不動産の環境性能に関する投資規模を社会全体で最適化し、良質な環境不動産のストックを拡大させることである。このために、建築のエネルギー消費に影響を与える各種の要素を確率モデルとして表現し、モンテカルロ法を適用することで、省エネルギー化設備の導入の効果を確率的に表現した。本研究の目的は、この確率的特性を基礎に金融工学に基づく分析を行い、一般金融商品と同様の尺度で省エネルギー化に関する投資価値の定量評価を可能とすることである。本年度は、開発済の確率的建物エネルギー計算モデルの深化と拡張を行い、特に長期間を分析対象とするモンテカルロ法に耐えられるだけの計算速度の向上を実現した。各種省エネ投資の内部収益率を頻度分布として確率的に捉えることで平均分散分析による評価を行い、結果を報告した(国内査読付論文2編、国外査読付論文1編)。また、負荷の偏在が捉えられるというモデルの特性を生かすことで、ポンプの省エネ制御の新たな評価方法を提案して報告した(国内査読付論文1編)。これは従来のように二次側配管の簡易抵抗特性を前提とせず、負荷の偏在が存在する時に極限まで必要静圧を下げる制御の省エネ効果も評価可能にするモデルである。また、建物使用の不確実性を表現可能であることを生かして、建物管理の運用技能を評価可能なエミュレータシステムも構築した(国外査読付論文1編)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
各種の検討に必要な計算速度の向上に関しては予定通り実現し、さらに実際に計算モデルの活用に関していくつかの実践を完了した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究で開発した確率的な熱負荷・エネルギー計算モデルの活用法の1つとして、エミュレータシステムを開発している。これを用いて運用段階における不確実性も評価すべく、空気調和・衛生工学会の小委員会において、エミュレータシステムを用いた運用技能選手権を開催予定である。本選手権の成果を取り入れながら本モデルの有用性を確認する。
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Causes of Carryover |
少額であり、無理に使い切る必要性が無かったため。
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Research Products
(5 results)