2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K04469
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Research Institution | Daido University |
Principal Investigator |
岡本 洋輔 大同大学, 工学部, 講師 (80612184)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 眼疲労 / 瞳孔 / 光環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,視作業中の瞳孔径の変化と主観的眼疲労度や作業継続時間とを比較して,眼疲労度を最も良く反映する瞳孔径の特徴を明らかにし,さらに光環境特性が眼疲労に及ぼす影響を瞳孔径の観察によって評価することを目的としている. 瞳孔径の特徴と眼疲労との対応を検討するため,視作業として,被験者には数字探索課題を50分間行ってもらい,課題の前後および途中に瞳孔径測定と主観的眼疲労度測定を行った.被験者17名のデータについて解析を行った結果,瞳孔径は,視作業前と比較して,視作業の途中および視作業後で散大する傾向が見られた.そこで,いくつかの区間ごとに視作業の前後および途中での瞳孔径の平均値を求めた.瞳孔径の差が特に大きく見られた区間(8~11秒)の平均値について分析を行った結果,測定時期による瞳孔径の大きさに有意な差が見られ,視作業前と比較して,視作業途中や視作業後で有意に散大し,主観的眼疲労度は,視作業前と比較して,視作業途中や視作業後に有意に増加した.これらのことから,瞳孔径は眼疲労が進むに従ってより散大すると考えられる. 次に,照明光の波長分布が(分光分布)が,眼疲労に及ぼす影響を検討した.波長分布が比較的一様な光源(高演色光源)と偏りの大きい光源(低演色光源)の2種類を使用した.波長分布以外の条件は可能な限り同一とした.被験者には視作業として,かな拾いテストと数字探索課題を40分間課した.視作業前,途中,後に,瞳孔径,フリッカー知覚閾,主観的眼疲労度を測定した.被験者12名分のデータを解析した結果,いずれの指標においても光源による有意な差は見られなかった.しかしながら,瞳孔径は高演色光源に比べて低演色光源での作業時により散大が進む傾向が見られ,主観的眼疲労度も低演色光源で高い値を示した.これらから,高演色に比べて低演色光源での作業がより眼疲労を引き起こしやすい可能性が考えられる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画を遂行するための実験設備も問題なく導入ができ,刺激装置やデータ取得装置,データ解析プログラムの作成や稼働にも大きな問題がなく,実験を行うことができたため.
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Strategy for Future Research Activity |
申請書記載の研究計画に従って,光環境を操作した実験条件での被験者実験を重ねるとともにデータ解析に努める.
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Causes of Carryover |
眼機能計測装置について,購入を予定していた製品の開発元から新製品が発売され,そちらを購入したが,当初予定していた製品の価格よりも販売価格が安かったため. 光刺激呈示装置を計画当初より精度良く制御・操作できるようにするために使用する.
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Research Products
(4 results)