2019 Fiscal Year Research-status Report
Application of Ecodistrict Framework to Low Carbon Community Development in Japan
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18K04477
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
村山 顕人 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (60396760)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 既成市街地 / 低炭素 / まちづくり / エコディストリクト / 持続可能な開発目標 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度に予定していた研究は(1)「エコディストリクト・プロトコル」の内容の修得と(2)錦二丁目低炭素地区まちづくりプロジェクトへの「エコディストリクト」枠組みの実験的適用、(3)「エコディストリクト」枠組みを日本の既成市街地に適用する際のガイドラインの作成であった。 (1)については、研究者が指導する大学院生とともにエコディストリクトに関する調査を進め、エコディストリクトの成立過程と枠組みの変遷を整理した上で、エコディストリクトの枠組みが適用された15事例をレビューし、Lloyd地区(ポートランド)、Capitol Hill地区(シアトル)、Millvale地区(ピッツバーグ)の3地区の設立経緯と組織体制、ロードマップの内容、プロジェクトの計画と実装について詳細分析を行った。このために、大学院生を米国諸都市に派遣し、2019年11月のエコディストリクト・サミット及び同研究フォーラムにも出席させている。本研究の成果は、現在、学会論文としてとりまとめ中である。 (2)については、錦二丁目まちづくり協議会低炭素地区会議議長として、引き続き、エコディストリクトの枠組みの「組織化」段階に相当する活動に取り組んだ。名古屋市環境局や錦二丁目エリアマネジメント株式会社とも連携しながら、SDGsワークショップ、SDGsフォーラム等を開催し、企業と地区のマッチングを行い、いくつかの事業の立ち上げの機運を醸成した。錦二丁目の事例は、フランス語書籍でも発表した。 (3)については、2019年4月から7月にかけて、シティラボ東京を会場に連続セミナー「社会的企業に学ぶ企業ブランディング~いま、まちに広がるSDGs時代の仕事」を開催した。SDGsの達成に貢献する社会的企業の活動事例(錦二丁目、馬喰町、松戸)を理解し、そうした取り組みを捉える枠組み(エコディストリクトを含む)について議論した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
(1)に関わるエコディストリクトの「実務者認定(Practitioners Accreditation)」と「エコディストリクト認証(EcoDistrict Certification)」については、それらが要求するレベルと錦二丁目低炭素地区での準備状況を勘案して、見送ることとしていた。COVID-19の影響で、2020年2月・3月に対応することもできず、2020年度以降の課題として残っている。(2)、(3)は概ね順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)エコディストリクトの「実務者認定」はCOVID-19の状況にもよるが、なるべく早く受けたいと考えている。(2)引き続き、錦二丁目低炭素地区まちづくりプロジェクトへのエコディストリクト枠組みの実験的適用を継続する。(3)エコディストリクト枠組みを日本の既成市街地に適用する際のガイドラインの作成」を行うため、さらにワークショップ(研究集会)を開催して、議論を深めたい。
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Causes of Carryover |
COVID-19の影響により2020年2月・3月に予定していた研究活動が次年度以降に延期となったため。研究計画に沿って次年度以降に使用する。
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