2018 Fiscal Year Research-status Report
A Study on Evaluation of Building Height Control to Conserve and Form a City Landscape and an Urban Environment
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18K04484
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Research Institution | Takasaki City University of Economics |
Principal Investigator |
大澤 昭彦 高崎経済大学, 地域政策学部, 准教授 (80619809)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 さやか 筑波大学, システム情報系, 准教授 (70422194)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 絶対高さ制限 / 高度地区 / 景観 / 地区計画 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、2000年代以降に建築物の絶対高さ制限を導入した自治体を対象に、規制の効果や都市に及ぼす影響を明らかにすることを目的としたものである。 平成30年度には、1)高度地区による絶対高さ制限の実施状況を整理した上で、2)規制導入後の各自治体の運用実態を把握するために、まず全国8自治体に対するヒアリング調査を実施した(建築紛争の発生状況、規制の遵守状況、規制強化等の見直しの有無、公共貢献のある大規模建築物に対する高さ制限の緩和措置の運用状況)。そして、3)ヒアリング調査をもとに、次年度に行うアンケート調査の準備を行った。 ヒアリング調査の主な結果としては以下の点が挙げられる。まず、規制導入後の紛争発生はあまり見られなかったことから、規制の効果がある程度確認できた。ただし、高さ制限値が緩く、市街地の実態と大きな乖離があるエリアでは紛争が見られた。このように、高度地区の規制が不十分なエリアに対しては、地区単位での規制の強化や詳細化が必要になると思われるため、地区計画等の策定が行われたケースを確認したところ、高度地区の検討中もしくは導入後に、地区住民からの要望で地区計画の策定につながったケースが確認できた。また、一定の敷地規模や空地の確保等の条件を満たした大規模建築物に対する高さ制限の緩和措置の運用状況に関しては、いずれの自治体も事例が少なく、民間開発よりも公共施設での適用が多いことが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた全国自治体へのアンケート調査については、平成30年度は実施できなかった。その理由としては、事前のヒアリング調査を通じて、アンケート調査の項目の再検討が必要と判断し、次年度に行うことになったためである。ただ、大幅な遅れではなくお概ね順調に進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、平成30年度に実施予定だった全国自治体に対するアンケート調査の実施・分析を行う。そのうえで、特に規制導入後の地区計画等の策定状況と一定条件を満たした大規模建築物に対する高さ制限の緩和措置に関する個別事例の分析を重点的に行う予定である。また、絶対高さ制限の地価への影響分析に向けた準備作業を並行して進める。
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Causes of Carryover |
平成30年度に実施予定であった自治体アンケート調査が実施できなかったために次年度使用額が生じた。これについては、次年度に実施する予定である。
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