長期PDCAによる低侵襲治療時代の急性期病院高回転手術部のモデルプランの提案

2019 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 18K04486
• Research Institution: Kyoto Prefectural University
• Principal Investigator: 河合 慎介 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (70335123)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 小菅 瑠香 帝塚山大学, 現代生活学部, 准教授 (50584471)
• Project Period (FY): 2018-04-01 – 2021-03-31
• Keywords: 手術部 / 急性期病院 / ファシリティマネジメント / 長期PDCA

Outline of Annual Research Achievements

急性期病院は高回転運営を行う必要がある。そのためには入院の短期化が求められ，その要は手術待ちの解消となる。回転率の向上に寄与する運用面と建築面の関係を紐解くため，長期に渡る手術室の実践的PDCA（plan-do-check-action），すなわち実態調査－改善計画・予測－現場変更－実態調査・検証－改善計画・予測－現場変更を繰り返し行い，直接的な前後比較による要因分析を行う。
フェーズ1（2014年度実行済）：看護体制ヒアリング調査，物品配置調査，看護師追跡調査1（4名）を行い，現状把握を行った。診療材料の分散配置によるピッキングの動線量が課題であることが明らかになった。そこで①物品の中央集約化，手術個人キットと消耗・予備キットを一括で準備し手術室へカート搬送するセット交換型の採用，②看護補助員の2名追加による看護師の準備作業負担の軽減を，シミュレーションした上で提案した。
フェーズ2（2015年度実行済）：2015.4に看護補助員の2名が追加された。看護師追跡調査2：看護師19名を行った。フェーズ1の提案を一部実行した効果を検証した。尚フェーズ1・2について2016.8に口頭発表を行った。
フェーズ3（2018年度成果）：2015.8に物品配置，物品供給方式も提案通り変更され，手術室が増築された。また2017.3に一部改修された。尚フェーズ1について2019.2に学術論文として掲載された。
（2019年度成果）：フェーズ3について，看護体制ヒアリング調査，物品配置調査，看護師追跡調査3（19名），看護補助員追跡調査（2名）を行い，変更後評価を行った。2020年度にはフェーズ2，フェーズ3について学術論文に投稿する予定である。

Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

フェーズ2について2020年6月に学術論文に投稿し，フェーズ3について2020年夏頃に学術論文に投稿できる目処がたった。
しかし今後，新型コロナウィルスの関係で，2020年度は調査対象である病院に訪問する日程が遅れる見込みとなる。

Strategy for Future Research Activity

手間のかかる調査は，昨年度終える事ができた。
先進事例の収集について，病院へ訪問できる状況になり次第，すぐさま調査を再開する予定である。その間に学術論文への投稿を進める。

Causes of Carryover

新型コロナウィルスの影響で視察予定の病院へ，訪問できなかったため，概ね旅費の分が繰り越しとなった。