2018 Fiscal Year Research-status Report
A Study on Countermeasures of Vacant Properties through Receivership/Conservatorship
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18K04489
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Research Institution | Seigakuin University |
Principal Investigator |
平 修久 聖学院大学, 政治経済学部, 教授 (10327091)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西浦 定継 明星大学, 理工学部, 教授 (10267693)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 空き家 / 財産管理人制度 / 人口減少 |
Outline of Annual Research Achievements |
アメリカの空き家財産管理人制度を研究するに先立って、我が国の弁護士から、我が国で同制度の適用を増加させる場合の課題を検討するために、関連する相続財産管理人制度及び不在者財産管理人制度の内容及び管理人の実務をヒアリングするとともに、アメリカで調査すべき事項を確認した。また、日米の不動産制度の相違点を明確にするため、アメリカで多くの不動産関連業務に携わった経験のある専門家から、アメリカの不動産制度に関して聴取した。並行して、空き家財産管理人制度に関する既存文献、法律・条令、マニュアル・ガイドブックなどを関連ウェブサイトなどから入手した。 これらを踏まえ、アメリカでの調査内容を再整理した。8月末から9月にかけて、メリーランド州及びペンシルベニア州などを訪問し、空き家及びその問題を現地視察により確認した。次に、空き家財産管理人制度を積極的に活用しているボルティモア市から、制度のしくみ(適用条件、プロセス、管理人の資格要件)や適用状況をインタビューした。そして、同制度により管理人の任命を受けて空き家問題の解決に取り組んでいる事例を非営利団体から聴取した。さらに、本制度に詳しい研究者に、制度の基礎をなす土地所有・登記・税制、制度の全般的考え方などをインタビューした。 2つの州の調査から、不動産市場の状況、対象の空き家の量、空き家を修繕するコミュニティ開発会社(CDC)の活動状況などにより、空き家財産管理人が修繕せずに競売にかけることが効果的な場合がある一方で、空き家問題を確実に解決するために、CDCが管理人選任を裁判所に申立て、自ら管理人になり、修繕し販売する事例があることが確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成30年度はメリーランド州、ペンシルベニア州、マサチューセッツ州の3州を対象に情報収集する予定であったが、マサチューセッツ州に関しては関連機関・団体との面会の日程調整がつかず、令和元年度に調査を行うこととした。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、メリーランド州及びペンシルベニア州以外の州についても、空き家財産管理人制度の内容及び状況を調査・研究し、同制度の特徴、意義、正当性を明確にするとともに、我が国での適用増加を図る際の課題を整理する。また、空き家対策の総合的展開を検討するため、合わせて、アメリカ諸州の他の空き家問題対策の状況も確認する。
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Causes of Carryover |
平成30年度は、2人がメリーランド州、ペンシルベニア州、マサチューセッツ州の3州を分担して調査を行う予定であった。しかし、マサチューセッツ州に関しては関連機関・団体との面会の日程調整がつかず令和元年度に調査を行うこととし、平成30年度は1人のみ海外調査を行ったため。
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