2019 Fiscal Year Research-status Report
A Study on Countermeasures of Vacant Properties through Receivership/Conservatorship
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18K04489
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Research Institution | Seigakuin University |
Principal Investigator |
平 修久 聖学院大学, 政治経済学部, 教授 (10327091)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西浦 定継 明星大学, 理工学部, 教授 (10267693)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 空き家 / 財産管理人制度 / 人口減少 / アメリカ |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き、メリーランド(MD)州、ペンシルベニア(PA)州、オハイオ(OH)州、マサチューセッツ(MA)州、ノースカロライナ(NC)州の行政の関連部署及び関係団体などを対象に、空き家財産管理人制度に関して、①制度のしくみ、②制度の適用条件、③制度適用から再生までのプロセス、④管財人の資格要件・役割(機能)・権限・責任、⑤不動産処分収入の配分、⑥成果と限界などを調査した。併せて、空き家財産管理人制度の有効性を分析するため、他の空き家対策も調査した。 具体的には、①ボルティモア市(MD)、ピッツバーグ市(PA)、クリーブランド市(OH)において積極的に住宅の修繕及び販売・賃貸を行っている非営利団体に対して、空き家管財人制度の活用度合、活用したケース、活用上の問題などについてインタビューした。②将来の開発が見込めずに空き家管財人制度が活用できない空き家・空き地の再利用方法として、住宅を解体し農地利用を推進する政策に関してクリーブランド市(OH)でインタビューするとともに、実例を視察した。③空き家管財人制度と他の空き家問題解決法の比較を行うため、デイトン市(OH)及びシンシナティ市(OH)の中心部を視察した。④MA州及びNC州の実施機関を中心に、制度に関与する、自治体部局、管財人等に直接に面談し制度の実態や課題について調査した。⑤空き家管財人制度を研究している大学研究者に面談して、意見交換を行った。 また、6月に、「空き家問題への財産管理人制度適用に関する日本とアメリカとの比較」を『都市計画報告』に投稿し、3月に、ボルティモア市(MD)とPA州の空き家管財人制度を含む「アメリカの空き家対策とエリア再生:人口減少都市の公民連携」(学芸出版社)を出版した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和元年度は、ニュージャージー州とイリノイ州を調査する予定であったが、関連団体との面会の日程調整がつかず、令和2年度に調査を行うこととした。
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Strategy for Future Research Activity |
マサチューセッツ州に関しては、新型コロナウィルス感染拡大に伴い一部の面会がキャンセルとなったため、令和2年度に再度、調査する予定である。未調査の州に関して、関連法規などの資料収集を行うとともに、関係機関に対するインタビュー調査を実施する。 そして、令和元年度までの調査結果も踏まえ、調査した州の空き家管財人制度を、①制度のしくみ、②制度の適用条件、③制度適用から再生までのプロセス、④管財人の資格要件・役割(機能)・権限・責任、⑤不動産処分収入の配分、⑥成果と限界の観点から比較分析する。併せて、ランドバンク、行政代執行、行政による競売などと比較検討することにより空き家管財人制度の意義を明確にするとともに、我が国で適用を増加させる場合の課題を整理し、対応方法を検討する。
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Causes of Carryover |
①海外調査を3月に実施したため、精算が令和2年度にずれ込んだこと、②ニュージャージー州及びイリノイ州の調査が実施できなかったため、次年度使用額が生じた。この使用額は、①の精算と②の調査に充当する予定である。
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Research Products
(2 results)