2020 Fiscal Year Research-status Report
A Study on Countermeasures of Vacant Properties through Receivership/Conservatorship
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18K04489
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Research Institution | Seigakuin University |
Principal Investigator |
平 修久 聖学院大学, 政治経済学部, 教授 (10327091)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西浦 定継 明星大学, 理工学部, 教授 (10267693)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 空き家 / 財産管理人制度 / 人口減少 / アメリカ |
Outline of Annual Research Achievements |
新型コロナウィルス感染症の拡大のため、アメリカでの現地調査は断念した。 その代わりに、ウェブ情報をもとに、空き家に関する財産管理人に関する法令比較を実施した。 対象としたのは、California,Illinois,Indiana,Iowa,Louisiana,Massachusetts,Michigan,Missouri, North Carolina,Ohio,Oregon,Pennsylvania,Rhode Island,Tennessee,Texas,Virginia,Wisconsinの17州及びBaltimore市(Maryland州),財産管理人制度と同様の制度を有しているNew Jersey,Kansasの2州、合わせて19州及び1市である。比較項目は、制度の適用条件・対象、財産管理人の任命(任命申立て、関係者への通知、所有者等による修繕・財産管理人受任の申立て、財産管理人の適格者)、財産管理人の責務と権限(財産管理人の職務内容と権限、財産管理人の義務、財産管理人の免責事項、修繕等の財源・資金調達、財産管理人等への支援、対象住宅の解体、財産管理人の終期)、費用弁済、対象住宅の販売(所有者による対象住宅の取戻し、対象住宅の販売、販売収入の配分順位)である。 その結果、同制度には,①所有者の権利の制限やはく奪を伴うため,適用に関する判断の厳格さ,②訴訟形式をとるため,原告の適格性の明確さ,③所有者の権利と職務遂行のための財産管理人の権限とのバランス,④財産管理人の権限の明確さと,修繕費用などの資金調達と回収の措置,⑤公聴会での意見陳述の機会,自ら修繕を行うことの申立て,修繕後の買戻しの保証といった所有者の権利の確保などが求められることが確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染症が拡大し、アメリカでの現地調査ができなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウィルス感染症の拡大が終息した場合、令和元年度に十分に調査できなかったマサチューセッツ州及び、独特の空き家管財人制度を有しているニュージャージー州を対象に、関係機関に対するインタビュー調査を実施する。終息の見込みが立たない場合は、可能な範囲でオンラインでインタビュー調査を行う。 そして、昨年度までの調査結果も踏まえ、実際の運用も加味して、調査した州の空き家管財人制度を、①制度のしくみ、②制度の適用条件、③制度適用から再生までのプロセス、④管財人の資格要件・役割(機能)・権限・責任、⑤不動産処分収入の配分、⑥成果と限界の観点から比較分析する。併せて、ランドバンク、行政代執行、行政による競売などと比較検討することにより空き家管財人制度の意義を明確にするとともに、我が国で適用を増加させる場合の課題を整理し、対応方法を検討する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症が拡大し、アメリカでの現地調査ができなかったため。次年度、感染症拡大の終息を待って、アメリカの現地調査を実施する予定である。
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Research Products
(1 results)