2018 Fiscal Year Research-status Report
Study on the city center's built environment from the emotional aspects
Project/Area Number |
18K04493
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
伊藤 香織 東京理科大学, 理工学部建築学科, 教授 (20345078)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 中心市街地 / 好ましい感情 / 訪問頻度 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,中心市街地のフィジカルな都市環境や市民の生活行動と,市民が中心市街地に対してもつ感情との関係を明らかにし,現代都市における中心市街地の意味を再考することである. 2018年度は,詳細なインタビュー調査に先立ち,全国14都市のアンケート調査より,個人属性,生活行動,中心市街地環境が,中心市街地への好ましい感情(選好,推奨,誇り)にどのように影響するかを簡易的に分析した.その結果,居住年数や中心市街地への訪問頻度は,中心市街地への好ましい感情に対してほとんど影響を及ぼしておらず,過去(5年前,10年前,20年前)に比べて訪問頻度が増加した人の方が好ましい感情を持つこと,中心市街地にお気に入りの場所(小売店,飲食店,オープンスペース)があることや中心市街地に美しさ,歴史性,自然,個性を感じられることが,中心市街地に対する好ましい感情につながることがわかった. これらの結果から,詳細なインタビュー調査の内容を再検討している.また,インタビュー調査に向けた準備としては,地域選定を行い,中心市街地再生の取り組みが進められている愛知県岡崎市を対象として詳細調査を行う計画を立てている.準備のひとつとして,行政及びNPOに対して,中心市街地再生のハード・ソフトの取り組みに関する聞き取り調査を行った.別々に始まった様々な活動をひとつの枠組みに統合しつつあること,川辺とまちのハード施策とともに,市民や民間の参画を促すソフト施策も進められていることがわかった.このことからも,インタビュー調査を岡崎市中心市街地を対象として行う計画は適切であると考えている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初はインタビュー調査から始める計画であったが,詳細なインタビュー調査内容の検討に向けて,複数都市の一般調査の分析を行ったため.
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Strategy for Future Research Activity |
14都市のアンケート調査の分析結果を踏まえて,詳細なインタビュー調査の内容を再検討し,インタビュー調査を行う.インタビュー調査は,愛知県岡崎市を対象に,まず,中心市街地で活動や生活をしている人々にインタビュー調査を行って,感情と都市環境や生活様態との関係とともに中心市街地の性質を捉える.その後,より広い層にインタビュー調査を行うことを検討する.前者は地域のまちづくり関係者の協力のもとに行い,後者は調査会社にモニター抽出依頼することを検討する.中心市街地への感情については具体的発言が得られにくい可能性があるため,グループインタビューも検討する.これらのインタビュー調査結果の分析を通して感情尺度とモデルを作成し,あらためてよりサンプルの多いアンケート調査を行って定量的分析をしていく.
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Causes of Carryover |
当初はインタビュー調査から始める計画であったが,詳細なインタビュー調査内容の検討に向けて,複数都市の一般調査の分析を行ったため,主にインタビュー調査のための予算が繰り越しになった.当初2018年度に予定していたインタビュー調査は2019年度に実施し,併せてその分析とモデル化も行う.
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