2018 Fiscal Year Research-status Report
都市計画での建物現況調査に革新的技術を導入する際に発生する課題に関する実証的研究
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18K04501
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Research Institution | Building Research Institute |
Principal Investigator |
阪田 知彦 国立研究開発法人建築研究所, 住宅・都市研究グループ, 主任研究員 (80370708)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺木 彰浩 千葉工業大学, 創造工学部, 教授 (70370707)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 都市計画基礎調査 / 現地調査 / 地理情報システム |
Outline of Annual Research Achievements |
都市計画法に基づく都市計画基礎調査の一環で定期的に行われる建物現況調査は,調査員が現地に赴いて外観目視により建物1棟毎の用途等を記録し,帰還後にGIS(地理情報システム)等で建物形状データに紐付けする作業を経てデータ化されるため,手間とコストがかかる調査である.一方で近年,調査を支援する様々な革新的技術が利用できるようになってきているが,実務では活用が進んでいない.その一因として,革新的技術を建物現況調査に導入する際の効果や課題についての十分な検証が行われていないことが指摘できる.そこで本研究は,建物現況調査への革新的技術の導入可能性の検証を目的とした実証実験と,これまでの調査技術に関する資料の体系的整理やアンケート調査等といったシーズとニーズ両方面からの体系的・総合的な検証を通じて,建物現況調査に対して革新的技術を導入する際に発生する課題を形式知として得ることを目的とする. 初年度の検討として,実際の実務作業を担うことが多い民間会社の担当者へのヒアリングを実施した.これより現地調査の主流が,既存資料の活用による机上調査とそこで判明しなかった建物についての現地調査を組み合わせで実施すること等がわかった.そこで,その現地調査の正確性や時間効率性などを検証するために,千葉工業大学の学生を対象とした模擬調査を実施し,調査対象建物に対する情報提示の有無等により正確性や効率性が異なることが明らかとなった.また,基礎調査関係の資料の電子化の手始めとして,過去の実施要領策定時の資料の電子化に着手した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
模擬調査を行う等,順当に検討を進めている.また,ニーズの把握については,コンサルタントへのインタビュー調査を進めたことにより,研究の方向性を固められたことが大きい.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,今回実施した模擬調査については,異なる革新的技術を用いた場合の調査を行うことで,使う場合と使わない場合とでの比較や技術の組み合わせによる効率化に関する考察をを行う予定である.また,ニーズ側の調査については,自治体へのアンケートやインタビュー調査の実施や,コンサルタントへのインタビュー調査の継続な実施などを通じて,知見の蓄積を図る.
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Causes of Carryover |
模擬調査にかかる費用が想定外に安価にすんだことや,対象地域が1地域だったことにより旅費がかからなかったこと,作業補助の人件費を作業実態との関係で執行しなかったことによる.これらについては,次年度実施する模擬調査等の実施にあたり有効に活用することにしたい.
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