2021 Fiscal Year Research-status Report
人口の減少・超高齢化に対応した二次救急医療施設の機能と建築・設備計画に関する研究
Project/Area Number |
18K04516
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Research Institution | Hokkai-Gakuen University |
Principal Investigator |
石橋 達勇 北海学園大学, 工学部, 教授 (50337094)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹宮 健司 東京都立大学, 都市環境科学研究科, 教授 (70295476)
中山 茂樹 千葉大学, 大学院工学研究院, 名誉教授 (80134352)
小林 健一 国立保健医療科学院, その他部局等, 上席主任研究官 (80360692)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 二次救急医療 / 病院 / 北海道 / 救急部 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究期間延長をうけて実施予定であった人口減少・高齢化が進展していると思われる根室医療圏における主要二次救急医療機関の救急部と同医療圏の消防本部への訪問調査の実施を改めて模索した。しかし2021年度も新型コロナウイルス感染症の全国的な蔓延が続き、調査対象の医療機関や消防本部がその対応に直面・奔走していることを踏まえ、やむなく調査の実施を見送った。 その一方で、各種学協会における発表や専門誌などの文献による情報収集に努め、新型コロナウイルス感染症(疑い)傷病者の救急医療の現場での対応方法とそれに相応した建築設備の整備の概要を把握することができた。例えば、医療者に感染防止のためのPPEの装着と共に感染疑い傷病者からの感染拡大を防止するための手立てが必須となること、所謂レッドゾーンへの立ち入る医療従事者の人数が制約され、それに伴う意思伝達や情報共有の手段が必要になること、発生蘇生処置の際は対応人数を最低人数に止めること、など臨機応変と迅速な処置対応が求められる救急部の運営が困難になる中で、隔離予防措置の対応手順の確立と、そのための器具設備の導入や仮設的建築空間の整備に関する知見を得ることができた。 そして今後の二次救急医療機関における救急部を考える上では、感染症(疑い)の傷病者への対応は恒常的なものとして捉え、それに対応した建築設備が必須となることが想定された。従って、救急部の機能や規模の差異が上記の新型コロナウイルス感染症への対応方法に与えた影響を明らかにすることを課題に追加して、次年度の研究活動に望む予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の全国的な蔓延が年間を通じて継続したため、予定していた訪問調査を実施できなかった。また研究分担者らとの意見交換についてもやむなくビデオ通話システムを用いた最低限の内容に止まり、調査結果の分析やとりまとめ作業などが円滑に進展しなかった。 情報収集については、医療建築や救急医療の専門誌特集号などから新型コロナウイルス感染症疑い傷病者の救急医療対応とそれに相応した仮設的な建築設備の整備状況の概要を把握することができ、一定の知見の蓄積が進んだ。
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Strategy for Future Research Activity |
二次救急医療機関の救急部における新型コロナウイルス感染症などの感染症疑い患者の対応実態については、各種調査や情報収集を継続的に実施する。また新型コロナウイルスへの感染・蔓延を十分に留意しつつ、北海道内の二次救急医療機関および消防本部を対象とした調査の実施を試みる。 そしてこれまでの知見を整理・分析した結果を最終的な研究成果として取り纏め、日本建築学会等で発表する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の全国的な蔓延が2021年度も継続したことにより、予定していた訪問調査や研究分担者との打ち合わせ会議ができなかった。そのため、それらを目的とした旅費の支出が無くなり、次年度使用額が発生した。 次年度は未実施調査の実施を目的とした旅費や追加調査のための通信費支出を行う予定である。
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